朝イチのサンダーバードに乗らないと、富山県雨晴海岸のライブに間に合わない。前に富山~金沢と旅行したときにはもっと時間に余裕があったと思うのだが。
新大阪駅のホームで6時34分発のサンダーバードを待ちながらTwitterを見ていると、ちょうどBBガールズが富山に着いて海がめっちゃいいと書いているツイートが上がった。BBガールズは夜中のうちに車で京都を出たそうだ。
サンダーバードに乗り込む。空いてる。
最初の停車駅が高槻で驚いた。高槻って、サンダーバード停まるのか。よく大喜利とかしてるあの高槻が。全然知らなかった。
京都駅に着く前に、左手に梅小路公園が見えることに気づいた。BBガールズも出る「わくわく梅小路フェス」が行われているところだ。これはうれしい。これからここを通るときは景色を眺めて梅小路フェスを思い出す楽しみが増えるな。
前回の北陸旅行では京都でローズが乗ってきた。
あの旅は富山アルペンスタジアムと石川県立野球場で中日-オリックスの交流戦を見るのも目的のひとつだった。ローズはその試合に出るために同じ列車に乗ってきたのだ。今日は誰も乗ってこない。
前回はその後寝てしまって、起きたら右手に海があって。「関西から北陸に向かってるのに、右に海があるのはおかしい。日本海側に行くつもりが太平洋側を走ってる。どこで電車を間違えたんだ!?」とかなりうろたえてしまった。しばらくかかってようやく、それが琵琶湖だと気づいた。
その印象が強烈だったので、今回はじっくりと琵琶湖を眺めてみる。電車の近くまで琵琶湖が迫っているポイントは少ない。あのときはたまたま窓の外に水しか見えないタイミングで目が覚めたんだな。それに、寝ぼけていた。それにしても今日も琵琶湖は広い。
寝過ごして乗り換えに失敗したら終わりだから、今回はずっと起きてる。
9時13分、無事に金沢で下車。屋根がドームっぽい金沢駅の外観を見に行けたら懐かしかっただろうが、時間がない。初めての北陸新幹線に乗り換える。出発は8分後。
大阪から雨晴海岸への電車の旅は路線名になじみがなくてピンとこなかった。ちょうど先週、広島でJ.ナカノさん主催の「ナカノ A to Z タイマンラッシュ」という大喜利大会に出た際、超絶に鉄道に詳しいひろちょびさんも出られていたので、いろいろ教えてもらえて助かった。乗車券は全て、ひろちょびさんの情報に従って広島駅のみどりの窓口で購入した。
(なぜ画像が小さいのか、わからない。おそらく、何となくスマホのカメラの設定をいじってしまったのだろう。結果、この旅の写真はサイズがまちまちだが、意図はない)
乗り心地のいい北陸新幹線。ただ、乗ったのはひと駅だけ。車内には年配の外国人観光客が多かった。
9時35分、新高岡で下車。ここは乗り換えの時間に余裕がある。というか、ここでしか時間に余裕がない。
売店でしろえびあられと、押し寿司の駅弁を買う。前回、富山湾弁当というのを買ったら、中に入っていた鱒の寿司がめちゃめちゃおいしかった。今日は富山でできるだけお寿司を食べたい。
ちなみに、前回の北陸旅行のもうひとつの目的は、47都道府県の映画館で映画を見るという遊びのためだった。
といっても、映画バカ仲間と手分けしての企画で、僕が担当したのは滋賀・岡山・高知・徳島・富山・石川だけだ。
ちなみにちなみに、富山では速星のファボーレ東宝で「大日本人」を、石川ではイオンシネマ 金沢フォーラスで「舞妓Haaaan!!!」を見た。
城端線への乗り換えは少し歩いた。同じ新高岡駅といっても建物も別で、城端線の方は無人駅だった。めっちゃ意外。
ここのホームで押し寿司の駅弁を食べたかったが、けっこう人がいて、ベンチに座って食べたりは無理だ。
ホームでお母さんがお子さんにクイズを出している。「今から来る電車は何色でしょうか?」
やがて、ベル・モンターニュ・エ・メール号、通称べるもんたが入ってきた。観光列車である。みんな写真を撮りまくる。確かに美しい電車だ。
お母さんクイズの答は、緑。深緑と木の色の車体だった。
車内も深緑と木の色で、木の椅子があったりして普通の電車と全然違う。ちょっとした仕切りも木で、彫刻がほどこされていたりする。これは鉄道ファンでもない僕でもテンションが上がる。
全てにおいて格調が高過ぎて、どこに座席番号が書いてあるかわからず、自分の席を見つけるのに苦労した。ようやく見つけた席は、何と窓を向いている。広島駅のみどりの窓口の方がこの電車の座席表を見せてくれたのだが、その略図は4人がけの席と1人用の席に分かれていた。いつもなら通路側の席を選ぶけど、4人がけに1人で座るのもあれだと思い、1人用席にしてみた。こんな横向きの席だとは思ってなかった。特別感があっていい。4人がけの方も、テーブル付きの豪華な造りだ。1人席も窓際にカウンター状のテーブルがある。そして、窓は縦枠の少ないとても大きな窓である。
ほとんどのテーブルに何か置いてある。他の乗客の方々が開けるのを見ると、お寿司を中心とした食事セットだ。どうやら切符を買うときに予約できるみたい。まあ、僕にはさっき買った押し寿司の駅弁がある。と思ったが、電車の先頭の方に、僕のその考えを捨てさせるものがあった。
電車の中にお寿司屋さんがあるではないか。引っくり返りそうになった。運転席の後ろのスペースに、寿司職人さん1人と女性スタッフ2人がいて、料理するスペースやショーケースもある。まさかこんな光景に出会うとは。カウンターにメニューがあり、予約なしでも握り寿司のセットを注文できる。聞くと時間もかからないというので、頼んだ。これは予約しなかったのがかえって幸いしたな。ただあの駅弁は当分食べるチャンスがなくなるけど。
城端線から氷見線に乗り入れる高岡駅でだったか、外からこの電車を撮影する最後のチャンスだというので、大半の人がホームへ写真を撮りにいった。
やがて出されたお寿司は、華やかで、富山っぽさも感じた。わさびがきいていた。
車内には他に年配のボランティアの男女も同乗していた。おばさんの方が車窓から見える景色を説明してくれる。お寿司屋さんの女性スタッフだと思っていた2人は、今日から始まったというプレゼントキャンペーンのゲームを開始。あるタイミングで、ボランティアのおばさんが外を見ろと言う。そこには
すぐ目の前にめちゃめちゃきれいな海が広がっていた。窓が広いから、視界全部が海と空だ。なんて見事な青。すごい。窓から下の方を見ても近くまで海が迫っている。日本海って、こんなにもきれいだったんですね。勝手に、演歌とかのイメージで、日本海は荒れた厳しい海だと想像してた。とてつもなく美しい。感激だ。ベストタイミングで撮影チャンスを教えてくれたおばさん、本当にありがとう。
記念乗車証と、キャンペーンの残念賞にしてはだいぶうれしいべるもんたのクリアファイルがもらえた。でも、一番のプレゼントはあの海だ。一生ものの景色だと思う。
10時48分、雨晴駅で下車。降りたのは僕1人。みなさん終点まで行かれるみたい。
念のため駅員さんに確認する。ライブ会場である道の駅 雨晴は、雨晴駅を出て左だ。
開演は11時。始発に乗ったのにぎりぎりだ。道の駅に向かう道からも、とてもきれいな海が見える。時間がないとはいえ、間に合うはずだ。少しだけ写真を撮った。
道の駅到着。2階の展望デッキへ急ぐ。階段を上ると、BBガールズをはじめとするパームトーン・エージェンシーの方々がいた。よかった。ここで合ってた。間に合った。
ステージとして使うあたりと観客が立つスペースには段差がない。右寄りにあるキーボードの位置を見て立つ場所を決めたら、完全に正面の角度だった。ラッキー。
ステージは山側を背にする形。つまり、海を見て歌うことになる。この展望台は日本でも有数の絶景が見られることを誇っている。客席から振り返ると、あのあくまでも美しい青い海、さっき僕が乗ってきた電車が通る線路、女岩(めいわ)と呼ばれる島、伝説のある義経岩が見える。本当に海のすぐ近くを線路が通っているんだな。
一面のきれいな海を前にして歌うのはどんな気分だろう。BBガールズのツイートによれば、天候によってはこの景色に加えて水平線の向こうに立山連峰が見えることまであるという。
今日のライブの出演者は、BBガールズ、山下圭志さん、TIME FOR LOVEのパームトーン・エージェンシー所属の3組と、同じfm GIGで「Happinessことのは万葉集」という番組を持っている りりー☆ぽっぺん。
りりー☆ぽっぺんボーカルの大和美桜さんと司会の曽我さんは、袖が広くて長い派手な独特の着物姿。ここ雨晴海岸は万葉集ゆかりの地ということで、その当時の着物なのだろう。
最初に地元の歌を1曲、BBガールズと大和美桜さんで歌う。
BBガールズは、カナさんが青の、たじさんが辛子色のロングコート。おそろいのヒョウ柄のマフラー。たじさんはえんじのベレー。
アーティストにとっては、レパートリーではない曲を入れるのは大変な面もあるのかもしれないが、ファンとしては貴重なパフォーマンスが見れてうれしい。カナさんが歌うシーンはめったに見れないし。
続いて1回目のステージ。全4組が短めのライブを行う。
BBガールズの1曲目は「あの日に帰りたい」。松任谷由実のカバー。
まず二人のハーモニーから入る。原曲よりゆったりとしたテンポ。BBガールズのカバーの中でも特に好きなうちの1曲。久々に聴けた。初見の富山のお客さんにも素晴らしいと思ってもらえただろう。
「ガーディアン・エンジェル」
サビが前にある曲で、こちらもいきなり二人のハーモニーを届ける。
間奏でたじさんがカナさんを紹介するから、富山でも初めて叫んだ。「カナーっ!」
全組まわった正午前ごろ、長めの休憩。
その間に家持くんと道の駅 雨晴の代表の方(駅長さん?)が来てくれた。家持くんは、「万葉集」編集の中心だったと言われるあの大伴家持をモデルにした、高岡市のマスコットキャラクター。大伴家持は当然奈良のイメージだけど、富山に数年間いて、雨晴海岸でも和歌を詠んだそうだ。この展望デッキに歌碑もある。
その後、高橋正樹高岡市長がスタッフとともに登場。音楽とラジオについてのスピーチと高岡のPR。
後半は各組4曲ずつ。
山下圭志さんのステージでは、BBガールズがコーラスで参加。アルバム「SHORE BREAK」リリース、そして9月の名古屋Breathでの記念ライブ以降、「JETTY」と「ハバナ・モヒート」を歌うときはBBガールズを入れてくれる。めちゃめちゃありがたい。
ライブはもちろん言うまでもなく、KCさんもmasaeさんもとても優しい。
いざ、BBガールズ。
「苦い林檎酒」
左端の方で親子連れがライブを見てくれている。たじさんはそのかわいらしいお子さんに夢中といった感じで、そっちを向いてうたっていく。
「風のファンタジスタ」
引き続き、お子さんの方に向かって歌うたじさん。やがて逆の右側に、関東から遅れて駆けつけたファンの姿を見つけたらしい。繰り返し上げる手を、その人の代名詞ともいえるポーズに変えていく。周りも即座にたじさんと同じ手にする。僕はいつも通り拳でいかせてもらう。このメッセージソングをライブで聴くときは、自分の思いをたぎらせているから。
「人生はミラーボール」
曲が進むにつれて、ファンがいるエリアに近づいてくるたじさん。2番になると、1人1人のファンのすぐ前で2行ずつぐらい歌ってくれる。そうして左から右へと移っていく。これは感激。ものすごいファンサービスじゃないか。
「まだまだGIRLでいいかしら」
最初のカナさんのキーボードが今までのどれとも違う、富山限定バージョン。
たじさんが呼応して声をあげ、さらに盛りたてていく。ライブは生き物だという。こういう今日だけ感もまたいい。
りりー☆ぽっぺんは、万葉集にちなんだ大伴氏の女性(大伴坂上郎女?) の歌や、一転してほのぼのした曲も歌う。桂雀三郎 with まんぷくブラザーズから譲られた?曲も。
TIME FOR LOVEの登場時には、司会の曽我さんがヤケになったかのように煽りまくる。
沢田研二のカバー「勝手にしやがれ」は、帽子を投げるアクションの印象が強い曲だったが、みんなで両方の手のひらを見せてくねらせる振り付けも楽しかった。冴沢さんのラジオによると、壁塗りというのだろうか。
今日はたじさんがコーラスに参加せず客席側にいるので、たじさんを参考にするとサビ以外の振り付けもわかり、ずっと動きまくれた。
「夢を見るかもしれない」では思いっ切りジャンプして楽しんでいたが、これははしゃぎ過ぎかも、冴沢さんたちや他のお客さんの気が散ってはいけないと思い、途中からセーブした。
「シーソーラヴ」の泳ぐジェスチャーのところでは、後ろを向いて海に向かって平泳ぎをした。ステージにいるアーティストから目を離さない主義だが、今日この時間だけは許してほしい。真っ青な海に向かって、気持ちよかったなー。
フィナーレは全員で、もちろん「虹色のパレード」
BBガールズのときもノリノリで見てくれていた地元の女性が、ダンスの経験があるのかキレのいい動きを見せる。KCさんのボーカルもBBガールズのコーラスもみんなでやる振り付けも楽しかった。
ライブは終わったが、せっかくだから雨晴のお土産を買いたい。BBガールズタオルを肩にかけたまま道の駅の建物に向かう。
が、まずは展望デッキの端の出店に寄らなければならなくなった。さっきまでダンスしていた女性がいたから。ここの店員さんだったのか。BBガールズのファンとして感謝を込めて買い物するべきだろう。マドレーヌなどいくつかお菓子を買った。
建物の中はカフェなどいろんな施設があり、当然お土産も売っている。おいしいに違いない和菓子「江出の月」と、キティちゃん印の富山カレーを購入。
3階も1階も全部見てから、2階展望デッキに戻る。マドレーヌを買った隣の店で、カナさんと女性BBガールズファンがアクセサリーを見ていた。カナさんに「男性用もありますよ」と声をかけてもらったが、女性がアクセサリーを選んでいるところを見てはいけないような気がして、去ることにする。その店の端にBBガールズのアルバム「ラ・ブラバ/LA BRAVA」が置いてあるのを発見。わああ、買ってくれたんや! めっちゃうれしい。しかし、女性がアクセサリーを選んでいるところをじゃましてはいけない気がして、内心感激したまま去る。その後BBガールズはここでけっこう買い物したらしく、以降のライブではコインを加工したこの店の指輪などをとてもよく身に着けることになる。このお店がBBガールズのラジオでも名前が出てくるガレージコンティだ。
そのまますっと帰ろうとしたら、みなさんがわざわざ呼びとめて手を振ってくれた。ありがとうございます。
少しだけ時間がある。
道路を渡ってすぐの雨晴海岸に下りてみる。砂浜が白い。砂っていうか、貝がめちゃめちゃ多いようだ。こういう浜は初めてだ。
こちらも道の駅から見えていたごく近くの義経岩にも登った。
限られた時間でお土産も買い、ちょっとだけ観光もできた。第一、ずっとこんなにきれいな海を見ることができた。BBガールズのライブが見れたうえにこれ。最高の最高だ。
駅に向かって歩き出してから気づいた。あああ、ブログ用の写真を撮らせてもらっていない! ライブが終わってから、海をバックにBBガールズの写真を撮りたかったのに。あの展望デッキなら、海と空とBBガールズだけの完璧な写真が撮れたはずなのに。
引き返してると電車に間に合わない。泣く泣く雨晴駅へ行く。
雨晴駅から見る景色も実に見事だ。本当に海が近い。
年季の入った待合室に座る。ホームの外へせり出したような形で木造りの。
かなりお腹がへっているが、ここで押し寿司の駅弁を食べる余裕はない。しかも、スマホの充電がやばい。とりあえず、この後行く店の住所を調べて、紙のメモ帳に書いておく。
14時32分、雨晴発。
氷見線の中からまたあの海が見れる。ものすごくお腹がへっているが、駅弁を食べている場合ではない。海が見えなくなると、メモ帳にライブの様子を書きつける。
14時55分、高岡着。
ここでは乗り換えの余裕がある。やっとご飯だ。待ちに待った押し寿司。
めちゃめちゃおいしい。期待以上。さすが、富山のお寿司。
帰りは北陸新幹線に乗らない。あいの風とやま鉄道線とIRいしかわ鉄道線というので金沢へ。
16時29分、金沢発。
サンダーバードに乗ってから切符を見たら、北陸新幹線の切符も入っていた。あー、忘れてた。最初自分で調べたときのルートだと思い込んで帰ってきてたけど、ひろちょびさんにアドバイスをもらって行ったみどりの窓口で、係員さんが新幹線を取ってくれてたんだった。完全に忘れてた。
サンダーバードの中でもメモを書いたが、眠気が限界にきて寝ることにした。
19時16分、新大阪着。
さらにミナミへ行く。19時半から飲み会だ。スマホの充電は金沢で切れていた。住所を頼りに店を探すが見つからず、一体何年ぶりか、交番でおまわりさんに道を聞いた。
仲間が待ってくれてる焼き肉屋さんはすぐ近くだった。