CRY

Twitterには長いやつ

BBガールズの土曜パームトーン劇場(2019年12月7日)

今月のカバー曲は、すかいどんさんが2曲とも当てていると思う。

それなら、全曲順予想をやってみよう。

 

まず、BBガールズのオリジナル曲を3つのグループに分ける。僕の勝手なイメージですけど。

 

Aグループ 「大きい曲」

(まだまだGIRLでいいかしら 風のファンタジスタ 人生はミラーボール 平成ガール ガーディアン・エンジェル)

激しい曲、ライブ終盤のたたみ掛けで盛りあがる曲。1曲目や後半1曲目にも合っている。「風のファンタジスタ」は静かなイントロから高まっていくため、バラードの後にもよく配置される。

 

Bグループ 「中ぐらいの曲」

(恋してオムレツ ひらいたトランプ クランベリージャム それはウソじゃない!? 苦い林檎酒)

ミディアムテンポの曲、おしゃれな曲、明るく楽しい曲。終盤のたたみ掛け以外ならどこででも使いやすい。場合によっては1曲目もあり。バラードの後にMCに行くよりは、これらの曲で会場を沸かせてからMCという流れが多い。「苦い林檎酒」はしっとりとしていてバラード寄りだが、たじさんのスキャットなどBBガールズの魅力を伝えやすいので、1曲目でもいける。

 

Cグループ 「バラード」

(陽だまりの鳥 夜明けの月に 透明な水 泡のないグラス 離れてもそばにいて)

静かな曲も、うたい上げる壮大な曲も。ふつう1曲目はない。バラードを続けるのか、バラードの後にどの曲を持ってくるのか、考えどころ。特に「泡のないグラス」は重みを感じさせることのできる曲なので、直後にインターバルに入らない場合、次の曲は慎重に選ばれているはず。「夜明けの月に」は明るい雰囲気。「離れてもそばにいて」はおしゃれでBグループ寄り。

 

この他に、今年の土曜パームトーン劇場では曲順が固定されている曲が2つある。

1曲目の「もっとオールドファッションド」と、アンコールの最後の「境界線はいらない」だ。この2曲は今月も定位置で間違いなさそう。

 

以上のことを基本として、今月ありそうなことや先月からの流れも考えて曲順を予想した。

さまざまなセットリストがつくれるが、これに決めた。

 

もっとオールドファッションド

クランベリージャム

 MC

離れてもそばにいて

透明な水

夜明けの月に

風のファンタジスタ

 MC

カバー曲1

カバー曲2

(衣装チェンジ)

恋してオムレツ

それはウソじゃない!?

 MC

ひらいたトランプ

苦い林檎酒

泡のないグラス

ガーディアン・エンジェル

人生はミラーボール

平成ガール

まだまだGIRLでいいかしら

(アンコール)

 MC

陽だまりの鳥

境界線はいらない

 

今月の重要事項として、来年2月9日(日)のKYOTO MUSE(京都ミューズホール)ワンマンライブの告知がある。これはMCで真摯な言葉とともに伝えられるのではないか。それなら、「陽だまりの鳥」の前にMCを入れて、そこで話されるのでは。その告知をクローズアップさせるため、「陽だまりの鳥」をアンコールに置く。

 

今年の土曜パームトーン劇場には、前の月に前半で歌われた曲は後半へ、後半で歌われた曲は前半へ動かすという特徴がある。それによって印象が変わり、より新鮮味のあるライブに感じられる。

そこで、11月に前半だった「それはウソじゃない!?」「苦い林檎酒」「ひらいたトランプ」を後ろへ、11月に後半だった「夜明けの月に」「離れてもそばにいて」「クランベリージャム」を前に持っていく。

クランベリージャム」は前の曲が終わった瞬間にイントロを始めて、スピード感を出すことができる。その効果をアップできるのはどこか。1曲目のすぐ後なんてどうだろう。

 

Aグループの「大きな曲」5曲を全部終盤たたみ掛けに使うことは少ない。うち1曲は前半か中盤の目立つところ、あるいはアンコールに持っていくと予想する。アンコールは「陽だまりの鳥」と決めているから、前に持っていくことになる。

今月のカバーは2曲とも壮大なバラードっぽいから、その前もバラードにするのではなく、一旦盛りあげてからMCをはさんでカバーという流れだと読む。「クランベリージャム」は2曲目に使うから、3曲目からはしばらく静かな曲が続く。その後で一旦盛りあげるならば、バラードの後にも合う「風のファンタジスタ」がいいかもしれない。前半で歌われることは少ないが、せっかく予想するなら穴狙い。意外なところを当てた方が気持ちがいい。

 

後半のハイライトにしたいのが、「ガーディアン・エンジェル」だ。もともと人気のある曲で、ライブでも目立つところで歌われてきたが、このところますますかっこよく進化し続けている。バラードの後に「ガーディアン・エンジェル」のイントロが流れ、手拍子で一気に雰囲気が変わるという場面を用意してみよう。

「ガーディアン・エンジェル」の前のバラードには、最も落差のある重厚な「泡のないグラス」を思い切って。「泡のないグラス」は「透明な水」と交互に隔月でうたわれることが多く、今月は「透明な水」がうたわれる番なのだが、今年最後の土曜パームトーン劇場、集大成としてどちらもうたわれるのでは。

 

先月までにやった名カバーの再演で、松田聖子瑠璃色の地球」や中島みゆき「ミルク32」を歌って今年をしめくくる案は、さすがにボリュームが増えすぎるかなと思い、採用せず。

聴けるとしたら2月9日(日)のKYOTO MUSEではないだろうか。

 

冴沢プロデューサーが出してくれた、今月のカバー曲のヒント。

クリスマスソングは外す。2曲の関連性はあまりない。男性の曲と女性の曲。世代はちょっと違う、同じ時期にヒットした曲ではない。

わかりやすいのは女性の方の曲。女性歌手。ニューミュージックではない。当時アイドルと呼ばれていた。とりたてて冬の用語は歌詞には入っていないが、この時期に聴くと「いいね」と思わせる大ヒット曲。カナさんはこの曲を知ってたかも。たじさんは微妙。この曲をカバーする人はあまりいないと思う。

男性の方の曲はたぶん知られてないが、冴沢さんは好き。冴沢さんより上の世代は聴いたことがあるかも。通常当たらない。冬の曲で、歌詞は完全に冬。シングル曲だけど、日本の歌謡界の中で発表されたシングルの中でも最も難しい曲のひとつではないか。歌っている人は歌手で、シンガーソングライターではない。有名実力派歌手なのでTVにはよく出てて、「夜のヒットスタジオ」や「8時だョ! 全員集合」で歌ってた。歌詞の世界観が冬のひとコマ。男と女のひとコマを描いていて、ドラマティックですごいいい曲。

どちらも、今年一年の総決算で、ある種の実力試験みたいなところがあるので、どうたじさんが歌うのか、そして二人でどういうハーモニーなりアレンジに仕上げてくれるのか、非常に楽しみ。どちらも非常に難しい曲。生半可な気持ちでは歌えない曲。カバー集大成にふさわしい2曲。

 

アイドルとしてヒット曲を出してから歌手と呼ばれるようになった女性アーティストって、山口百恵松田聖子中森明菜しか思い付かない。竹内まりやは運動会には出てたはずだけど、アイドルという印象はない。

この中で最後のカバーに選ばれそうなのは、中森明菜ではないだろうか。きっと壮大なバラード。第1候補は「難破船」だ。

もしかして、意表を突いてバラードではなく、激しい曲という可能性もあるかもしれない。その場合なら「ミ・アモーレ」。年末にふさわしいというのは、レコード大賞受賞曲だからということで。

 

ところが、冴沢さんのラジオで、「役者ではなく歌手だと考えて大丈夫ですか?」と確認すると、「世間的には女優だと思われている」との答。

それなら、薬師丸ひろ子。あるいは、原田知世。特に薬師丸ひろ子の可能性が高い。「懐かしのアイドルドラフト会議」というイベントで、冴沢さんは最上位で薬師丸ひろ子を指名していたし。

 

男性の方は布施明で決まり。冴沢さんが好きな人気実力派歌手。TVによく出ていた。キーが高いともどこかで言われてたから、間違いないはず。

 

すかいどんさんの予想は、薬師丸ひろ子「Woman ”Wの悲劇”より」と、布施明カルチェラタンの雪」

カルチェラタンの雪」は知らない曲だったが、調べて聴いてみると完全に条件に合っていた。布施明の他の冬のシングルも聴いたが、難しさと劇的さで上回る曲はなかった。

女性曲も「Woman」が最有力だろう。薬師丸ひろ子で他に難しめのヒット曲といえば、セリフのある「あなたを・もっと・知りたくて」か。でも、バラードの「Woman」の方がしめくくりという感じがするな。薬師丸ひろ子でない場合は、原田知世ダンデライオン」。「ふるさとの 両親が よこす手紙のような ぎこちないぬくもりほど 泣きたくなる」なんて、たじさんの声とカナさんの演奏で聴いたら泣いてしまうだろうな。「Woman」でも泣いてしまうな。やはり、「Woman」だ。

そして、男性曲の「カルチェラタンの雪」が先で、「Woman」で今年のカバーをしめくくるのでしょう。

 

会場に今年最後の「チャーリーズ・エンジェル」のテーマが流れる。

続いてBBガールズのアカペラ曲「Fai La Brava」。

それから、イントロが始まるとすぐに客席が手拍子。カナさんも手を打ちながら歩いてくる。「カナーっ!」今月も片手ピースで最初のフレーズを奏でる。

たじさんも手を打って登場。「たじーっ!」一度センターへ出てから、舞台左端のスタンドからマイクを取ってまたセンターへ。

「もっとオールドファッションド」

上下とも白の衣装。カナさんはえんじ色の、たじさんは緑のベレー。カナさんは髪をおさげにしている。たじさんの袖口は広いが、カナさんのは演奏しやすくするためか狭くなっている。カナさんは細いイヤリング。たじさんは球形のイヤリング。そして、おそろいの勾玉形のペンダント。

今日の衣装はとても新鮮だ。上下とも白は初めて見る気がする。聖なる雰囲気で、めっちゃいい。

お二人ともにこやかな笑顔。見るだけでしあわせに感じる。やはりステージに立つ人は違う。

間奏。たじさんのスキャットからカナさんのソロへ。うれしいことに、今日も譜面台に何も乗っていないから、手の動きがすっかり見える。すき間を活かす感じの短い音、おしまいの連打も短め。また新しいバージョンが聴けた。

 

「たじーっ!」の声の裏でリズムが刻まれている。

「恋してオムレツ」

白い衣装の足元に卵と赤いソースの色が映り、秋の照明という印象が浮かぶ。先月のライブレポートを書いたばかりだから、何だか映像の中にいるような感覚。

ここでも笑顔のお二人がいい。カナさんがたじさんの振り付けと体の向きを合わせるのも。

1番。カナさんが両手で弧を描く。今月は通常サイズだ。

2番。両手を握って口元に当てるカナさん。僕はつい拳の先を顔に当ててしまう。拳の裏を当てた方がポーズとしてよさそうなのだが、歌と演奏を聴いてステージを見ていると、なかなかそこまで神経がまわらない。

間奏。「はい、今年最後のドヨパー、ようこそお越しくださいましたー」両手を上げて跳ねるたじさん。「今日も楽しんで帰ってください。最後までよろしくお願いしまーす」

3番。カナさんのダブルピースは、先月に続いて両腕を伸ばして高く。たじさんはカナさん側の左手で短くリズミカルにピース。

もちろん最後は、お二人が外側の手を伸ばすポーズだ。

 

「離れてもそばにいて」

やや小さめの抑えた声で丁寧に、甘えるようにうたっていくたじさん。「離れてもそばにいて」をライブで聴くと、アメリカ映画に出てくる広いステージのあるクラブでうたっている様子か、部屋で彼氏を想っている姿が浮かぶ。だが、今日は違った。

たじさんは白い服で屋外に立っている。大きな建物の前で、誰かを待ちながらうたっている。ミュージカル映画の1シーンだ。うたい終わると同時に、目の前の道路に待ち合わせ相手の車が停まる。ドアが開き、たじさんが乗り込むと、車はスクリーンの左奥へ消えていく。

素敵な作品でした。

 

うつむいているたじさん。

カナさんが音を鳴らし、口を切る。「はい、今日もありがとうございます。12月」

たじさんは「ここMCか」とささやく。

「今年最後の土曜パームトーン劇場になります。今日もね、最後まで楽しんでいただけたらなあと思います。今年の私たちの集大成、見ていってください」

全部カナさんが話した。こういうことは初めてだ。きっと、たじさんにのどを使わせない配慮なのでは。

昨夜のラジオ「BBガールズのまだまだGIRLでいいかしら」で驚いたのが、たじさんの声がほとんど出ない状態だったことだ。ささやくようにしか話せない。昨夜は脳髄筋肉さんがお休みだったから、いつも以上に盛りたてたいと思い、長めのメールを送ったが、それを後悔したほど。声が出ないときにたくさん読んでもらうことになってしまった。

ここまでの3曲、のどの調子が悪いとは感じさせなかった。でも、やはり影響はあるのか。昨日の今日だもんね。

少し心配ではあったけど、僕はそこまで深刻に考えていなかった。たじさんなら本番は何とかなるような気がしていたから。もちろん、もし声が出なかったとしても、責めるような気持ちは微塵もなかった。ファンは応援するのみ。

 

短いイントロ。夜空と月色の照明。

「夜明けの月に」

弱めの声で丁寧にうたっていくたじさん。これがまたいい。声は弱めでいてきれいに澄んでいて、語尾は静かに響いて情感がある。

サビから背景に舞う細かな白い光が、今日は雪のように思えた。冬らしい衣装のためかもしれない。東日本の震災への思いから書かれた曲だから、イメージも合っている。

2番で「泣かずにいて」「忘れないで」とカナさんのコーラスが入ると、また違った美しさが沁みてくる。

「いつの日かこの歌を 思い出せば」「この胸の愛しさを 歌に乗せて」の二人ともが優しいハーモニー。

たじさんが声を張っていく。

 

リズム。先月と同じ前半の後寄りで来たか。

「ひらいたトランプ」

のっけからカナさんのピアノがかっこいい。

たじさんの口の開け方がいつもと違う気がする。のどに負担の少ない歌い方にしているのか。それでも聴こえてくる声は変わらず素敵だ。

1番の最後の「ものよ」を響かせたと思った途端に切る。すごい。

たじさんの吐息だけの「アイ」から、カナさんのソロ。毎回違った音色を聴かせてくれる見せ場だが、今日はまた特別素晴らしい。オシャレでかっこよくて、そのうえリズムも変えたりするし、最後の定番である高音の連打さえなくして全編今日だけのオリジナル。ピアノとともに心が弾み、サプライズのよろこびに満たされる。ここは是非ライブで注目してほしい。

たじさんは「何もかも」をファルセット気味に歌う。最後の「呼ぶの」の語尾で力強い声を解放し、伸ばし、スキャットへ。高い「ウーー」を重ねてしめくくった。

 

「透明な水」

たじさんはやはり静かめの声。歌のすみずみにまで気を配っている丁寧なうたい方に感じられる。聴き手にとってうれしいことだ。それに、語尾がそれぞれさまざまな声の表情を見せてくれる。サビに向かって声は強まっていく。

2番に入ると、背景であの白い小さな光が交差する。今度はそれが水玉の飛沫に見える。青味がかった白い照明が水を感じさせているからだろう。

そうか、雪の前は水だ。この後はきっとカバーの「カルチェラタンの雪」。それをふまえての曲順なのでは。

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 MC。

土曜パームトーン劇場は丸2年やったから24回。僕が知るかぎりでは、2017年の9月から始まったはずなので、今日が28回目だ。

クリスマスカラー、クリスマス前はカップルが別れやすいという話題から、クリスマスの過ごし方まで。

 

カナさんが、悲しく、静けさを感じさせるような高音を伸ばす。

カルチェラタンの雪」

「悪かった」たじさんのうたい出しで、カナさんが細やかな旋律を奏ではじめる。

事前にこの曲のAメロを聴いたとき、素人の僕でもめっちゃ難しそうだと感じた。覚えにくそうなメロディが地味に抑えられ、しかもテンポが一定ではなくて一気に歌詞を詰め込まないといけない部分もあるし、全て語り口調だ。けれど、たじさんだから難しいと感じさせない。静かに暴れるメロディを乗りこなし、悲しみを込めて語りかけるようにうたう。高低差もものともしない。感情を込め過ぎることもなく、曲の美しさも伝える。

劇的なサビが来ると、きれいでしなやかに強い声が朗々と伸びる。かと思えば、ささやくように。「くちづけは歩きながら」という詞が印象的。絵が浮かぶし、個性的だし、この曲の二人は日々のちょっとしたことでも独特の決め事とかあるのだろうなと想像される。

見事なサビの繰り返し。たじさんの強い声、弱い声。カナさんのピアノも高まる。

後奏。カナさんの悲しく弱い音が、すき間をあけていく。

拍手するタイミングをはかっていると、音色が変わる。「White Christmas」だ。音源を流しているのかと思ったが、カナさんが奏でている。キーボードに音色を変える機能があるのか。

まだ続くように思えた「White Christmas」が姿を消し、あの高音のフレーズが聴こえてきた。

 

耳なじみのある前奏だ。今度こそ音源なのかと思ったが、カナさんの両手は動いている。再びキーボードの音色を切り換えたみたい。

「Woman ”Wの悲劇”より」

「もう行かないで」

静かにたじさんがうたい出すと、カナさんの弾き方も変わる。

「もう愛せないと 言うのなら 友だちでも かまわないわ」

こんなにいじらしい詞があるだろうか。それがたじさんの声で届けられるのだから、泣ける。

「ああ時の河を」からのサビでカナさんのコーラスが重なる。美しくも素晴らしいハーモニーに心が奪われる。

これぞBBガールズのカバー。原曲のよさを損なわず、むしろ新たな魅力を引き出すのだ。しかも、BBガールズならではの個性も込められている。

薬師丸ひろ子の淡々としたオリジナルとも、中森明菜の情念のカバーとも違う「Woman」の誕生だ。

「眠り顔を 見ていたいの」

たじさんが最後の音を伸ばす。カナさんがあの音色で奏でる前奏のフレーズが帰ってきて、消えた。

 

カナさんとたじさんも姿を消す。

あのインストのもと、BBガールズの「Woman」の感動をずっとかみしめる。

 

戻ってきたカナさんを拍手で迎える。

ややあって、たじさんがセンターへ。まだ二人の姿はシルエットだ。

音がはじけ、手拍子が始まる。カナさんの演奏とともに、ステージに色が戻る。たじさんは体を揺らしてステップを踏んでいる。

クランベリージャム」

お二人とも、BBガールズの白い「ラ・ブラバ/LA BRAVA」Tシャツと、小さな星をいっぱいちりばめたシースルーのスカートに着換えている。このスカートはライブをさらに魅惑的に彩ってくれるから、特に好きな衣装だ。カナさんのイヤリングが星形のに変わっている。髪もほどいている。たじさんの前髪が印象的。そうか、ベレー帽がなくなったから、しぜんに髪に目が行くのだな。

たじさんの回転。「フーッ!」の声。お二人の笑顔。さっきまでのバラードと打って変わっての楽しさ。どちらも、BBガールズのライブの魅力だ。

2番。カナさんの両手が鍵盤の上で高く跳ねる。もう楽譜立て自体ないから、演奏の様子がよく見えて、よりわくわくする。これはとてもうれしい進化。

今日のたじさんは2回転。繰り返しのところでは回らず。これは久々のことだ。これからどうなる、「クランベリージャム」

 

「たじーっ!」の声に続く拍手にかぶって、もうイントロが始まっている。

「それはウソじゃない!?」

たじさんが「声が聞きたくて悶えても」の最後で声を強く張る。これは今日だけの歌い方なのか、今後定着していくのか注目だ。

カナさんが左右に体をひねる。手の動きも含めてノリノリで演奏してるように見え、観客も高まっていく。

最後の「Maybe」と「I Love You」を、たじさんがひっつける。

ここの後奏もまた変化のある見どころ。今日は高音が特にかっこよかった。

 

「たじーっ!」の声に「ありがとう」と応える間にもイントロが聴こえてくる。

「苦い林檎酒」

たじさんは「冷たい汗を」とうたった後、右膝を上げ、同時に左手を内側に振るアクション。この動きは記憶にない。大きくて目を引く。

間奏に入る最初のスキャットで声を張るたじさん。そこから強弱をつけていく。

「キーボード、カナ」の言葉を合図に、またカナさんのソロが聴ける。いつもは終わり際にたじさんの歌を迎えるような印象があるけど、今日は歌入りと並走するようなイメージだと感じる。

そこから再びたじさんの歌とスキャットにどっぷり聴き入った。

 

MC。

今月のカバーは、布施明カルチェラタンの雪」と薬師丸ひろ子「Woman ”Wの悲劇”より」。カナさんはずっとカモフラージュで「第九」を歌うと言ってたのに、当てられてしまった。

「Woman」がこの会場で流れるのは今年2回目と言われてたけど、実は3回目だ。「懐かしのアイドルドラフト会議」というイベントでかけられたから。

 

毎月2曲、今年一杯やり切って、全部で24のカバーがある。どれが好きだったか教えてほしい。

たじさんは中島みゆき「ミルク32」が好き。たじさんが演技もした歌。

イベントとかでよく歌ったのは、松任谷由実「あの日に帰りたい」と「中央フリーウェイ」。

 

京都ミューズホールのワンマンがもう来る。ポスターもできてきた。貼ってくれるところを募集している。恥ずかしいポスターだけど覚悟を決めた。

観客に向かって、感謝の気持ちを全部投げる。

 

勾玉のネックレスは、PALMTONEの曽我さんがお二人に掛けてくれたそうだ。先月の富山ライブの際に高瀬神社で買ったものだという。今日はたじさんの声が出ないかもしれないから、お守りにと。

 

カナさんがピアノを弾けなくなるぐらいまでずっと、「歌い続けたいですね」

 

MCの終わり際からカナさんがピアノを鳴らしているから、紹介がなくても次の曲がわかる。

「陽だまりの鳥」

語尾の余韻がきれいなつやつやした声と、高くはかない声。

今日は、「冷たい窓を」の「ま」と「ど」の間をつめてうたう。

最後のスキャットは「ウォー」という強い低めの声になっていく。高いハミングはなし。

カナさんの右手が高音を上り、左手が低音を響かせる。たじさんがおじぎをする。

今日だけの、渾身の、「陽だまりの鳥」だった。

 

たじさんが拳を掲げる。

「風のファンタジスタ

客席とともに拳を上げるアクションで、たじさんのブレスレットが目立つ。マイクを持っている右の腕にもブレスレット。前半は長袖だったからわからなかった。

あの雪や水飛沫に見えた小さなたくさんの光が、今は緑に染まっている。

「眼差し」を若干弱く語尾を切なげに。「笑顔」はやや力感を抜くように微笑んで。「祈る声」の最後は強く。緩急自在の歌に、ひとつひとつハッとさせられる。

最後の「駆け抜けて」を伸ばす声の力強さ。圧倒的だ。今日は「アーー」という声に収束していく。実に見事。BBガールズのライブの大きな聴きどころのひとつなのだ。

 

たじさんが「まだまだ行くぞう!」と拳を上げる。ギター。「フー!」と声をあげる。飛び跳ねる。カナさんの高音連打。グリッサンド

「平成ガール」

ステージ上が楽しそうだし、客席も楽しい。熱狂のうちに突き進んでいく。

カナさんが左のグリッサンドで駆け上がった後、右手で緩めに下りてきたりする。

そして、あの後奏だ。すっかり定着してきたカナさんの見せ場。あの激しい上り下りを、何と今日は右手だけで弾いて見せる。また新しいバージョンだ! やった!

「カナーっ!」と飛んだ声にはダブルピースで応えた。

 

手拍子。閃くイントロ。点滅するライト。

「ガーディアン・エンジェル」

もともとライブの定番曲で人気もあるシングル曲だが、最近グングン進化している。

たじさんは守護天使の羽の振り付けを「逃れられないわ」と「ガーディアン・エンジェル」のときだけにとどめ、あとは曲に乗ってしぜんに動いている。より洗練されてきたように見えるし、勢いも増す感じ。かと思えば、左手を頭にのせ、首の後ろへすべらせる仕草で間奏へいざなう。

たじさんが背中を向け、カナさんのソロがやって来る。毎回違った演奏で感激させてくれる。今日は弾むように中低音を響かせる。さらに、高音で同じフレーズを3回続けると、指を大きく開いてさらに高音域を叩いたり戻ったり進んだり。素晴らしい。これははずせないという決め事で盛りあがるのもライブの楽しみなら、その日だけしか見られない特別なものや変化でサプライズに沸くのも、ライブの楽しみだ。

高まる二人のハーモニー。たじさんが繰り返しの「ガーディアン・エンジェル」を伸ばして、絶妙に声の色を変える。左手で弧を描き、それを見つめるたじさんのポーズが決まる。「たじーっ!」の声。二人の笑顔。

 

カナさんが両手でカウントを数えるから、客席も両手の指を上げる。

「最後はこの曲でお別れです! 『まだまだGIRLでいいかしら』」

たじさんは、おしゃれでかっこいいキーボードの低音を巻きつけるように雰囲気たっぷりに歌っていく。カナさんは首を揺らして歌いながら弾いていて、ひたすら楽しそう。

手拍子をして、サビ前の弾むリズムに乗って、たじさんと同じ動きをして、BBガールズとともに熱狂していく。

サビの繰り返し。「ワケありな顔で踊って」を上げて歌った後に入れるカナさんの一音が、高くて印象的。

後奏のスキャットが力強く伸びやかで豊かでつややかで。

久々に真っ白なライトを浴びる二人。カナさんの最後の音と同時に、たじさんは両手を広げて体を沈めた。

「たじーっ!」「カナーっ!」

 

アンコール。

カナさんが両手を上げて入ってくる。アルバム「ラ・ブラバ/LA BRAVA」のTシャツの上に、派手にきらめくジャケットをはおっている。たじさんも金色に光り輝くジャケット。10月のサウンドパーク以来のはず。

 

「人生はミラーボール」

この曲をアンコールに持ってきた。「風のファンタジスタ」から終盤のたたみ掛けに入っていて、どれかひとつ大きい曲を後ろにまわすとは思っていたけど。

たじさんは手拍子をしながら「フーッ!」

2番の前にも小さく「フーッ」

カナさんは2番でも鍵盤から手を放して「Are you lady?」のジェスチャー。しかも両手で、内側から両方に手を開いていく。わあ、ここも手が放せるのか。初めて見る。たじさんも左手で「Are you lady?」

「あーなたしだーーーい」とたじさんは伸ばした声を、鼻にかかったように変え、つぶやくように小さくし、また大きくしていく。ここは多種多様なバージョンがある。今日のも素敵だ。

カナさんのソロ。「晴れたる青空ただよう雲よ」のメロディ。歓喜の歌。わああ、ほんまに第九弾いてるやん! 完全に冗談だと思ってたフリを実行してくれるとは。僕は「おおーっ!」と言ってしまう。たじさんも声を出して笑ってる。またまたうれしいサプライズだ。

本当に素晴らしい。観客をよろこばせてくれる「BBガールズ!」

たじさんといっしょに手を回しながら「人生はミラーボール」が終わっていく。

 

MCをはさまず、「境界線はいらない」

前奏で話してくれる。「今年のドヨパもありがとうございます。改めまして、本当にありがとうございます。また来年は飛躍の年になるようにがんばっていきますし、12月まだまだイベントがありますので、よかったらまた顔を見せに来てください。これからも応援よろしくお願いいたしまーす」

僕はBBガールズタオルを持ってくるのを忘れてしまった。アラームもセットしてたのに。でも、たまたま今日はたじさんもタオルを持っていない。それに、タオルではなく自分の両手を振るのも、力を込められてまたよし。

水色とピンクの派手な照明で、ただただ楽しく。

ライブが終わっていく。今年最後の土曜パームトーン劇場。たじさんは笑顔。カナさんはちょっとおどけている。

 

マリリン・モンローの「I Wanna Be Loved By You」が流れてくる。両手を高く振る二人。その手を握って曲に合わせてちょっとだけステップを踏み、おじぎをする。年末だけのスペシャルだ。

笑顔で去っていく二人。たじさんが「ププッピドゥ」の後のシンバルに合わせて、右足で宙を蹴った。

 

やはり大丈夫だった。たじさんは見事に18曲歌い切った。

もちろん健康がいちばんだ。それを願っている。ただ、こうして毎月いろいろな経験を積んでいくことが、またBBガールズを成長させるのだろう。ワンマンライブを毎月自分たちでつくり上げていくすごさ。場数を踏んでいるのは強いと思う。

 

今年から、新たな土曜パームトーン劇場だった。

ライブ前に客を出迎えない。オープニングにBGMを流す。休憩なしの一部構成。衣装チェンジあり。MCの位置を決める。曲の余韻を壊さない。ライブ中客席に下りない。御色直しの間とエンディングにもBGM。「もっとオールドファッションド」「それはウソじゃない!?」が加わる。アンコールを2曲に増やす。「たじーっ!」「カナーっ!」の声援の解禁。多くの曲に振りを付ける。キーボードから楽譜立てをなくす。

このどれもが、BBガールズをよりプロらしく、かっこよくしたし、ライブもさらにプロのライブらしく育っていった。

そして、冴沢プロデューサー選曲による、毎月2曲のカバーだ。たじさんとカナさんへの課題でもあったから、難しい曲が多かったはずだけど、独特のアレンジで、BBガールズらしさも見せて、しっかり歌いこなして、感動させられたり癒してもらったりした。きっと見えないところでめちゃくちゃがんばっていたに違いない。ありがとうございます。

BBガールズのオリジナル曲にもどんどん磨きがかかっていった。もともと好きな曲たちがいっそうすごくなって、見どころ聴きどころが次々と増してきている。

その間、初のアルバム「ラ・ブラバ/LA BRAVA」がリリースされ、京都ミューズホール(KYOTO MUSE)でのライブも決まった。

 

そのMUSEライブもいよいよ近づいている。今の進化したBBガールズ、進化し続けるBBガールズなら、何も怖くない。みんな、思いきり期待して見に来てくれ。

 

 

  ライブのアーカイブ映像はこちらです。

freshlive.tv

12月7日 event space PALMTONE

もっとオールドファッションド

恋してオムレツ

離れてもそばにいて

夜明けの月に

ひらいたトランプ

透明な水

カルチェラタンの雪

White Christmas ~ Woman ”Wの悲劇”より

クランベリージャム

それはウソじゃない!?

苦い林檎酒

陽だまりの鳥

風のファンタジスタ

平成ガール

ガーディアン・エンジェル

まだまだGIRLでいいかしら

 

人生はミラーボール

境界線はいらない

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秘密の音源が入った特典CDも、本当にうれしかった。今年はたじさんのイラスト入りポストカードも付くようになった。ありがたい。

今月はたじさんの声が出なかったから特典なしになるピンチだったそうだけど、つくっていただけて、めちゃめちゃうれしいです。

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