ダイアンとの電話は、カウントダウンの「1」で切れた。2016年になった瞬間、僕は電話が切れた音を聴いていた。
天竺鼠が年明けから東京進出。ダイアンと天竺鼠は関西の宝だと言っていたが、ついに。津田さんと川原さんのからみも最高だったけれど。天竺鼠のためだから仕方がない。川原さんはこれまで以上に関西でライブを打つと言ってくれたし。
第5回ATC大喜利ぐらんぷりのWEB予選に投稿した。
お題は2つあり、それぞれ1答ずつを提出する。
お題その1の「体育会系の人たちが作ったお化け屋敷の特徴とは?」に対する「霊に始まって霊に終わる」という答に、異常に自信があった。今見ると、きれいな答だしかぶらなそうではあるけど、そこまで強力な答とは思えない。でも、そのときは合格する気がした。
「駄菓子屋のおばちゃんが週刊誌に! 何と報じられた?」というお題その2は、余程ひどい答を送らないかぎり、その1の分で大丈夫だと思っていた。かぶらないようにだけ気をつけて、「おばちゃんがプロ野球の新外国人の採点をしていた」みたいな答にした。
初めて手ごたえがあった。ATC大喜利ぐらんぷりのWEB予選には以前にも1度か2度参加していた。第1回と第3回には参加しなかった記憶があるから、たぶん第2回か第4回だ。
我ながら、当時は生大喜利に参加したかったのかしたくなかったのか、どっちやねんという感じだが、興味があったのも、自分には無理だと感じて怖かったのも、両方本当の気持ちだった。
第5回ATC大喜利ぐらんぷりは3月開催だが、僕は2月のうちに生大喜利の大会に参加しようとした。詳しいことは思い出せないが、もう大会に出ると決めていたらしい。
2月に行われる第3回大喜利サティスファクションに出ようと、主催のかるあさんに連絡した。一部のお題が事前に公開される大会だったから、初心者でもそこで何とかしやすい気がした。会場がなじみのある関大なのも、申し込みやすかった。関大といえば、学園祭に笑い飯、ダイアン、和牛が来たときは最高だった。面白い漫才をたっぷり見た後、笑い飯と西澤さんの3人が津田さんをイジり倒すのがもうめちゃくちゃ面白かった。学祭としては最大級のホールが、何度も爆発的にウケていた。
だけど、結局どう調整しても仕事の時間に間に合わず、大喜利サティスファクション参加は断念した。
ATC大喜利ぐらんぷりから、WEB予選通過の知らせが届いた。
もうその瞬間から、めちゃくちゃ緊張した。もしかしたら、とんでもない恥をかくんじゃないか。辞退しようかと本気で何度か思った。やっぱり、腹は決まっていなかったらしい。
WEB予選通過者の中には、その時点で知っている名前もあった。
ステイゴールドさんはおそらく、今度初めて参加する大喜利本の作成者だ。関東から遠征だろうか。
Kitさんはケータイ大喜利レジェンドで、fromyohさんと大喜利会を開いて配信もしていた人。
えりんぎさんは同じラジオに投稿しているハガキ職人ではないか。
木曜屋さんは前にこの大会を見たときの優勝者で、人間ばなれしたスピードだと感じた怖いほど強い人。
脳髄筋肉さんは白鯨とかのお笑いライブでめっちゃいい声で笑っている人なのでは。
そして、あのすり身さんもいる。
過去2回の生大喜利とは訳が違う。あれはあくまでも、ラジオのリスナー会に参加したら、そこで大喜利もすることになったということだ。リスナー会でなかったら、大喜利に参加していない。功太さんのイベントは、客として見に行くだけ行ったと思う。