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KAI 30th ANNIVERSARY TOUR ENCORE ”アコギ”なPARTY 30

2005年4月17日(日) 守山市民ホール

 

 守山市民ホールHPのFLASH道案内を見て、JR守山駅から歩いて行く準備を 整えていた。けれど、ありがたいことに、滋賀の甲斐友が車で送ってくれることに なった。 
 守山駅前のバスにはライオンズのマークが入っていたりして、滋賀やなあと思う。 
 車に乗せてもらってみると、歩くにはちょっと遠い距離やったかも。高校のそばを 通ったりして行く。近くに野球場もあるらしい。

 会場は新しくきれいでおしゃれな建物やった。道路を隔てた向かいにはのどかな 風景が広がっている。 
 入場時、スタッフがしきりに「お席が変更になるお客様がございまーす」と知らせ ている。ロビーからホールへの入口には、変更になる座席の番号が掲示されていた。 チケットをもぎる際にも確認してくれる。ミキサー席の位置が変更になったための措置 らしい。 
 客席に入ると、10列目の後ろくらいだろうか、いちばん前のブロックと2番目の ブロックの間の通路に、ずらーっと補助席がつくられていた。これが変更になった人の ためのイスなんやろう。ここなら近くて見やすくて、不満も出ないことでしょう。

 映画「リアリティ バイツ」の曲が流れていて、BGMが変わったのかと思った が、そんなことはなかった。今日も「バイバイ ミス アメリカン パイ」が流れて くる。 
 客席は地元の方がほとんどみたい。おとなしそうな人々に見える。おじいさんも いらっしゃって、客層は幅広い。

 甲斐は赤のジャケットっぽいシャツで現れた。岡山 神戸三郷 、京都と見てきたが、これまでは全て白の衣装 やった。鮮やかで、この”アコギ”ツアーのイラストから想起される荒っぽさも感じられ て、すごくいい。 
 シャツの中は灰色がかった黒のTシャツ。鈍く光る黒のレザーパンツ。

 「ちんぴら」 
 歌入りで、近くの男が隣の女性に「かっこいいなぁー」と囁いてるのが聞こえた。 その人は最初の数曲、甲斐が歌い始める度にため息をつかんばかりにそう繰り返して いた。 
 甲斐が弦を押さえる右手の指先を見る瞬間がわかる。青っぽいサングラスをかけて いても。僕の席は思ったより真ん中で、甲斐のことが細かいところまでよく見えた。 茶髪の感じとかも。 
 フィニッシュで甲斐は「イェー!」と叫んだ。拍手が起きる。ライトがつくと、 またあらためて拍手が起きた。

 松藤のアコギで、「裏切りの街角」 
 甲斐がうたい出すと、じょじょに拍手がわいて大きくなっていく。 
 ラストでは先にステージのライトが消え、暗いなかに甲斐がゆっくりうたう声が 響いた。

 前野選手と3人になる。 
 「きんぽうげ」 
 甲斐は突き放したうたい方を1度もせず、全て語尾を響かせる。 
 1番の後は間奏が短い。松藤が弦をはじく。2番後の間奏で、あのアコーディオン の音色が流れてくる。 
 後奏は松藤のアコギ。「ザザザザーン」

 甲斐はやはり守山のことを、「恋をささやくことさえも窮屈すぎる街」と呼んだ。 
 「楽屋入って、窓開けたら、いいなあ。昼寝しそうになった」と、なごませる。

 ツアーの説明をしてから、今日歌った曲のタイトルを告げ、さらに「1曲ずつ 曲紹介をしようかな。書いたときのこととか、今日は言っていく」と言う。 
 冗談かと思ったら、ほんとにやってくれた。今思いついたみたい。こんなことって 初めて。めっちゃうれしい。

 「「きんぽうげ」は、僕が書いたんじゃない。甲斐バンドのオープニングを飾って た曲で。甲斐がなかなか出て来なくて、計ったら3分だったことがあって。まるまる1曲 分じゃん」 
 ここで松藤が「きんぽうげ」オリジナルヴァージョンのイントロを弾いてみせる。 客席から沸く拍手。 
 甲斐は「もうやった。またやるのかよ。違うキーで」と、松藤に返す。

 「次の曲は、某化粧品メーカーとのタイアップで。と言うと、間違えてる人がいる かもしれないけど、「君のひとみは10000ボルト」じゃないですよ」 
 「アリスじゃないし」と松藤が言う。「3人だけど」 
 甲斐は、「NSPとかガロと勘違いしたまま帰ってもらっても構いません」 
 おとなしくきちんとして見えた守山のお客さんの、雰囲気が変わってきてる。 話に引き込まれ、リラックスして楽しむ感じになっているのがわかる。

 「ビューティフル エネルギー」 
 甲斐は「のぼってゆくよーーぉ」「しれーなーいからーぁ」と語尾を下げて響かせ る。 
 「ビューーティフル エーーナジー」からコーラスが重ねられる。 
 2番。松藤がうたい出して、拍手がおくられる。 
 松藤の声がやらしい。もしかしたら、女性の松藤ファンはこういうところに 惹かれるのだろうか。 
 「ああ ごらんーよー」は、甲斐と松藤がいっしょにうたう。「もう二度とー」 からは松藤だけで。「しれーなーいからーー」と声を絞り上げる。 「ビューーティフル エーーナジー」の後は甲斐がうたっていく。 
 「ああ ごらんーよー」からの繰り返し。ずっと甲斐と松藤が声を合わせる。 「きーんいろのー」の後の部分は、甲斐が一人でうたう。 
 曲が終わったとき、微妙な色合いをした背景の下に、3人の影が映っていた。

 「かりそめのスウィング」 
 イントロの前半で前野選手が指を鳴らす。観客の手が打たれ始める。前野選手は 歌入り後も、アコーディオンの入らない1番前半は指を鳴らし続ける。 
 間奏の甲斐のハーモニカが激しい。 
 ”PARTY”と同じタイミングで、甲斐が「オーイェー!」と強く叫んで フィニッシュ。

 うたい終えた甲斐の第一声は、「カンペキ」 
 「(ビデオ)シューティングしたときよりよかった」 
 すると、松藤は「音だけでも(差し換えて使ってもらおうか)」

 今夜ならではの曲解説。 
 「二十歳の頃に書いたのをバラバラにして、つくった」 
 「30万枚売れたんですけど、「裏切りの街角」の後だから、売れなかったって 言われた曲。「HERO」の後の「感触(タッチ)」とか、ガロの「学生街の喫茶店」後 の「君の誕生日」とか、みたいなもんですね」

 「前の曲は冬の歌だった。今日こんなに暑いのに、さらに冬の歌を掘り下げて。 みんなでうたう」 
 ワールドカップを見に行った札幌ドームでのエピソードを話す。トイレに立った とき、客が沸いたから一瞬見たら、ベッカムがPKを蹴るところだったという。 
 「そのときのように、今トイレに立った人が帰ってこないうちに」のジョークが ウケる。

 「安奈」 
 サビ前に甲斐が手で示し、みんなで「あんなーあ」と声を合わせる。 
 「二人で泣いた夜を覚えているかい わかち合った夢も虹のように消えたけど」 
 もともと好きな詞やったけど、今夜はまた別の感慨が心に沁みた。たとえ夢が 叶わなくても、という希望の歌に聴こえた。夢は消えてもいいんだ。またちがう夢を 見つけられる時が来るだろう。 
 「クリスマスツリーに」から、だんだん客席だけにうたわせる曲調になっていく。 甲斐はみんなといっしょに「あかりが」を大きな声でうたう。そして、「とーもりー」 からはオーディエンスにゆだねる。シャイなお客さんにもうたいやすくするための配慮 やったんやろう。 
 甲斐はみんなの合唱に「サンキュー」と声をかけてから、「あんなー お前に  あーいたい」とうたい始める。 
 曲が終わると、ホールじゅうからものすごい大拍手。みんな感激してるんや。

 「レイニー ドライヴ」 
 前奏で、さっき甲斐が触れた、トイレに行ってた人が帰ってきて、客席にざわめき が起きてしまう。たまたま目立つ席だったのが、災いしてしまった。 
 甲斐は反応を見せず、客席をしずめるように、1番を静かにうたう。 
 2番からは、ところどころ強くうたう。「ささやきーさえー」の「さえー」の部分 などで声を張り上げ、続くパートは静かにうたうのだ。最近の「レイニー ドライヴ」 は、こういうふうにうたわれている。 
 「サーチライー」。横と斜め上から白い光。 
 その後、青緑のライトに戻る。もう雨の道にしか見えない。雨の日の、最後の、 ドライヴ。そのせつなさを実感する。

 松藤のカウントが聴こえてきた。CDとちがって、前奏から間があって、うたに 入る。 
 「愛のもえさし」 
 座っている甲斐が、脚の間で両手の指を鳴らす。手拍子が始まる。僕は、手拍子 ありヴァージョン聴きたさと、甲斐の声だけを聴きたい気持ちの間で迷ったが、手拍子 せずに甲斐の歌声に聴き入ることにした。前野選手も指を鳴らし、全体の手拍子は増えて いく。 
 左右両側の壁に甲斐の影が映っていた。 
 ラストの「デデュビ」の部分は、こころなしか一昨日の京都とちがっているように 聴こえた。こういうのも、その瞬間の想いなんやろうな。

 「いい感じじゃないですか」と、甲斐が守山のお客さんをほめる。「リアクション が大きくていい。今日はずっと拍手が長くて」

 「北海道の上の方まで」行くという今回のツアーの旅話。 
 JR西日本の車掌の中に、「しんかんしぇん」と発音する人がいるという。福岡 出身の甲斐と松藤は、「それを聞いて、ポッと頬を赤らめるんだけど」

 「長く行ってないところ、京都も行ったんですけど。京都ではしのぶと呼ばれて ましたが、神戸じゃ・・・」 
 ここで客席の女性ファン2人組が「なぎさー」と叫ぶ。 
 「渚と名乗って。京都・滋賀、こまめに来ないといけないなと思って。磔磔から 出直します。滋賀は雄琴からでもいいんですが。そのときは別の源氏名で」

 「愛知万博、誰か行った?名古屋だけ反応大きかったんだけど。京都は都をどり やってて、「都をどり行くわー」って感じだったし。行った人がいたら、どうだったのか 感想を聞きたい」

 「こういうおだやかな、穏便なアコースティックだと、こわがらなくてもマイク スタンド蹴ったりしないから。このアコースティックセットだと、 「ダイナマイト・・・」はできない」

 「そうだ」と思い出した様子で、「2曲前に戻りますけど」と甲斐が曲解説を 始めて、みんなよろこぶ。 
 「スーパーゴールなみの「安奈」の後は、「レイニー ドライヴ」という曲で。 今回は、松藤の歌、多いんだけど。「レイニー ドライヴ」は、甲斐バンド解散前の最後 のシングル」

 「「愛のもえさし」はトリビュートアルバムの「グッドフェローズ」と同時期に 出た「アタタカイ・ハート」というアルバムに入ってる。前に「松藤甲斐」というのが あって、松藤がヴォーカルのはずだったんだけど、いつの間にか「松藤甲斐」に」 
 ここで松藤が「(甲斐が)歌いたいからな」とツッコむ。 
 「その「松藤甲斐」のアルバム1曲目に入ってた。詞は僕が書いたんだけど。いい 曲だからパクって。m.c.A・Tにアレンジしてもらって」

 「次の曲は、涙なくしては語れない。だから語らない。 「BLUE LETTER」を」 
 正面の席だからか、少し晴れ間がのぞく雲が、一昨日よりはっきり見える。 左はオレンジ、右は青の照明。 
 ラストの繰り返し。1回目を甲斐は「ブルーレターーー」と大きく伸ばした。 2回目は、このツアーからの「ブルーレタ」と語尾を響かせるうたい方。

 「花,太陽,雨」 
 「この白い光」、今日は甲斐はうたわず、松藤がうたう。 
 客席からは手拍子。僕は詞の内容などから、手拍子する歌じゃないと思うけど、 この強力なアコギとアコーディオンの演奏なら、それもありやなと思えた。 
 「はーなー たいよう あーめー」の繰り返し。それが終わるとステージは暗転 する。暗いなか、甲斐の「オーッ」という少しにごったような小さく切ない声が聴こえ た。そして、最後のうたが響く。 
 「まーよーえーる人およぉぉ」

 オーディエンスが立つ。甲斐も立ち上がる。 
 「漂泊者(アウトロー)」 
 激しい、激しい「漂泊者(アウトロー)」。ステージ下方は青緑。上はカラフルな ライトやけど、視界に入らない。甲斐だけを見て歌い、手を打ち、拳を上げているから。 
 甲斐のハーモニカもまた激しく。間奏は短い。後奏もすぐに果てた。

 歓声が一気に増大する。甲斐がギターをかける間も、ホールの空気は熱く。 
 「風の中の火のように」 
 前奏ですぐ手拍子が沸き起こる。ワインレッドのような紅色に、さらに真っ赤な ライト。 
 アコギの弾き方が激しい。甲斐がストロークのタイミングを増やしている。 
 シンプルな照明に変わった。オーディエンスが甲斐とともに大声で歌う。 「ララーラーラ ララーラーラ ララーラーラ ララーラーラ ララーラーラ  ララーラーラーアー」 
 後奏の高まり。いつもはドラムが増えていくところを、アコギで表現している。 手拍子だけでは足りず、足を踏み鳴らし、首を振る。そうせずにはいられない。

 曲の前に、「最後の曲になりました」の言葉。 
 「えーー」という声と満足感が入り混じった雰囲気から、手拍子と大合唱へ。 
 「破れたハートを売り物に」 
 3本のアコギ。甲斐が間隔をあけているときも、他のギターから効果的な音が している。 
 甲斐は強く歌う。僕も強く歌う。なんだかすごく声が出る。 
 2回目の「アーアーアー」後の「ウーー」を、京都では歌わなかった甲斐も 歌った。

 甲斐は曲が終わると立ち上がり、ピックをステージ後方へ投げた。大歓声に応えて から去っていく。 
 長く熱いアンコールが始まった。

 再び現れた甲斐は、灰色がかった黒のTシャツ。 
 「翼あるもの」 
 甲斐は1番の終わりでピックを落としてしまったが、何事もなかったように すっと、ギターにはさんである新しいピックを取って2番へ向かう。 
 あの間奏。手拍子がすごい。だって、甲斐のプレイが興奮させるから。 
 ラスト近くで、甲斐は利腕の左、肘のあたりでギターのボディを押さえる。 やはりこれはわざとやってたんや。音色や反響が変わったりするんやろうな。 
 曲が終わると、客席のあちこちからオーディエンスの叫ぶ声があがる。

 甲斐は静かにアコギを弾き始め、少しずつ強めていく。 
 「感触(タッチ)」 
 サビで「タッチ!」って歌う客がめっちゃ多い。手を上げるアクションつきの人も いる。 
 甲斐は後ろの腰ごとギターを前後に揺らしながら、リズムに乗ってストロークして いく。 
 今日は1・2番とも、歌詞はオリジナル通りやった。「あやーしく」の部分だけ、 少しトビそうになったけど。 
 後奏で甲斐が叫ぶ。「ウォーオオオオオオーーッ」最後を高く上げる感じで。 こういうの、大好きや。

 「テレフォン ノイローゼ」 
 1番のみ歌入りを遅らせるアコギヴァージョンの歌い方。 
 2番の途中は、上の音で歌う。「愚にもつかぬ甘い歌は」や「おねがい」を、 本来のメロディーに合わせて上下させず、平板気味に突き放した感じで。この方が、 詞がより辛辣に届いてくる。 
 2番のサビではアコギの音を少なくして、オーディエンスのコーラスを誘う。 
 間奏がまためっちゃ盛りあがる。「ザクザク」と刻む音が気持ちいい。 指を上下させるあの演奏に、「ヒュー!ヒュー!」と声が飛ぶ。例のフレーズも、甲斐が ストロークを増やして弾くから、いつも以上にかっこいい。 
 3番でも「世の中まわしてるのは」を、メロディーを変えて歌う。 
 最後のサビではもうギターなしや。甲斐とオーディエンスだけの声が響く。 そして、甲斐は今夜全編にわたって「鳴りっぱなし~いい」と強く歌ってる。 
 ラストでもあのフレーズをストローク増やして弾いて、フィニッシュ!

 松藤と前野選手が加わる。 
 「HERO」 
 歌い出す前に甲斐がオーディエンスを手であおる。 
 甲斐は「お前を愛してるうううーさ」という歌い方をする。 
 松藤は2番以降、ストロークを減らしたり自由な演奏。 
 曲が終わると、ものすごい拍手。鳴り止まない。何と、次の曲の前奏が始まっても まだ拍手がかぶっていた。

 拍手が続くなか、静かに奏でられるキーボード。それからアコギ。オーディエンス が手を叩くのをやめ、このバラードに聴き入ろうとする。 
 「熱狂(ステージ)」 
 1番のサビで泣けてくる。信じた道を行けばいいんだ。目指して、進んで、ゆく。 勇気をもらったという言い方は常套句になってしまってて好きじゃないけど、これは そういうことやんな。 
 甲斐は今夜もところどころ強く歌う。「すてきだあったーっ」というふうに。 
 キーボードによる間奏が、後奏が、いい。 
 松藤のアコギがゆっくりと曲をとじる。

 アンコールを求めるオーディエンス。甲斐の名前を呼ぶ声。叫び。歓声。それらが どんどん増えてくる。 
 ライトがつくと、すごい大反応。1回目のアンコールだけで5曲もやってくれてん し、2回目のアンコールはないかもしれないと思っていた人が多かったみたい。 めちゃめちゃよろこんでる。

 甲斐は黒のレザーシャツの中にツアーTを着て登場。 
 前野選手も黒いジャケットの下にツアーT。白い縁のあるサングラスに換えて いる。

 「嵐の明日」 
 壁に甲斐の影が映っているのがわかり、甲斐から視線をはずすのがもったいないと 思いつつ、一瞬だけその影を見た。 
 甲斐は今夜も、「シャララララララララ」とうたうとき、腰のあたりで両肘を 曲げ、伸ばした指先を右に向けている。「シャララララララー」に入って両手が左へ 向きを変えたと思ったら、すぐに右手でマイクをつかんだ。

 もう一度メンバー紹介。 
 松藤が「サンキュー」と言ってくれる。そうや、京都でも言ってくれたな。

 「今日はほんとに来てくれて感謝してる。サンキュー。ありがとう」 
 「丁寧で、あたたかい拍手で、いたみいります」 
 うん、ほんまに今日は拍手があたたかかったよ。心がこもってるねん。

 「かけがえのないもの#2」 
 「俺」と「君」の物語。一度はこわれかけた愛を取り戻そうとする二人の暮らし。 その歌に引き込まれていく。客席全体もそういう雰囲気。 
 後奏で繰り返される「ウォウウォウウォー」が印象に残る。

 「最新ニュースを」と、箱根・花園ラグビー場・「THE BIG GIG」・ 両国国技館・”PARTY”・SPECIAL LAST NIGHTを収録した、 甲斐バンド10枚組ライヴCD BOXについて告げる。 
 今日も入場する時に詳しいパンフレットをもらった。

 最後の曲へのフリで、フォークの話題になる。山本潤子の名前も出た。 
 「亡くなったけど、高田渡」と、京都でもほめてた高田さんの話へ。 
 松藤が「生きてるよ」とツッコんでしまう。 
 「知らないとは。松藤、昨日遊んでたんだ」 
 松藤は「遊んでた」と返してから、前野選手に顔で確認し、事実だと知って神妙な 表情になる。 
 甲斐は高田渡の話を続ける。 
 「19のとき、初めて会って。そのときから35みたいだったんだけど、後で4つ 上と知ってびっくりした」

 懐かしの歌みたいな番組については、「僕は現役感がナマナマしいから」と、 出ない宣言。

 「「裏切りの街角」が売れたからじゃなくて、あれが一生やっていきたいカラー だった」 
 「デビュー曲としては完成度の高いやつを」

 そう言って始まった。 
 「バス通り」 
 これが、このツアーで僕が最後に聴く歌になる。そのことが急に強く胸に迫って きた。 
 ラストの繰り返しは、「もう終わってしまうのか」と、さみしい思いで 聴いていた。

 前野選手はサムアップで帰って行った。 
 甲斐は、めっちゃ長くステージに残ってくれる。「25時の追跡」が流れてきて も。そして、マイクで「サンキュー」と言ってくれた。これは、5ヶ所行った今回の ツアーで、初めてのことやった。うれしかったなあ。

 客席を出ると、グッズ売り場とCD売り場に人だかりができていた。 
 守山って、素晴らしい。小さな町で聴くことで、さらに深く醍醐味を感じられる ツアーなんや。今、あらためてそう思う。 
 甲斐が好きで、ライヴに行って、1曲1曲を素直に体感する。それこそが全て。 甲斐のステージを冷静に語るなんて、僕には考えられない。思い入れと情熱を抱えて、 これからも甲斐のライヴに参加するぞ。

 

 

2005年4月17日 守山市民ホール

 

ちんぴら 
裏切りの街角 
きんぽうげ 
ビューティフル エネルギー 
かりそめのスウィング 
安奈 
レイニー ドライヴ 
愛のもえさし 
BLUE LETTER 
花,太陽,雨 
漂泊者(アウトロー) 
風の中の火のように 
破れたハートを売り物に

 

翼あるもの 
感触(タッチ) 
テレフォン ノイローゼ 
HERO 
熱狂(ステージ)

 

嵐の明日 
かけがえのないもの#2 
バス通り