CRY

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甲斐よしひろ ALTERNATIVE STAR SET ”GUTS”

1996年3月22日(金) 京都ミューズホール

 昨日の夜四国から帰ったばかりで爆睡してしまい、京都に着いたんは開場時間ぎり ぎり。ミューズホールは初めてで、ビルの途中にあるとは知らなかった。みんな外の白い階段 にならんでいる。ファンクラブより先に、ミューズホールの会員が中に入れる。僕の番号は 遅いし、あわててた割に時間はあった。

 場内は超満員。チケットは完全にSOLD OUT。 
 僕は右側の、真ん中より前方に陣取った。後ろの方では、ビールを飲みながら開演を 待っている人もいる。

 「ダイナマイトが150屯」か、「らせん階段」か。注目のオープニング。 
 やっぱり甲斐1人で出て来る。 
 「ダイナマイトが150屯」からのパターンは2月の大阪に近いので、配慮してくれたの だろう。 
 自分を迎える歓声に「サンキュー」と応えてから、「らせん階段」を弾きはじめる。

 「ギタリストの鎌田ジョージを呼ぼう。「テレフォン・・・」をやるからね!」 
 ジョージは、いつもとはちがうフレーズで曲をしめくくった。

 無言のままギターを弾きはじめる。歓声があがる。 
 それもそのはず。関西では、バナナホールを除くと、実に十何年ぶりの「ブラッディ  マリー」。初めて聴けたというファンも多かっただろう。

 「京都はそうとう、ちょっと、しばらく来てなかったんで」 
 ギターの調子をかみしめるように、大きくかき鳴らす。 
 「懐かしい歌をもう1曲」 
 「地下室のメロディー

 「「GUTS」という新しいアルバムが出て。2月にホールツアーをバリバリと、ザクザクと、 やって。3月はアンプラグドというパターンで、四国からはじまって。四国は久しぶり。ましてや それ以上に、京都となるとどうなるのかなあ、と。いや実は、花見は来てたんだけどね。 申し訳ないんだけど。花見だけは来てたんだ、八坂神社に。ちゃんと。来いよ!コンサートに ね。わかる。わかる。言いたい気持ちは。 
 こういう形で京都をやって行くのかどうか、それは今夜やってみないと、バンドにも わからない。ライヴハウス初めてなわけですね。ツアーでまわるのは。東京で「ジャンジャン」 とね、もう1か所ぐらいしか知らないんだ。 
 アンプラグドというこういうアプローチをすごく、やりたかったんで。もうすでに東京では、 ROCKUMENTという形でパワーステーションで6回やったわけです。それは今年も多分 やるでしょう。6月と7月かな。3回ずつ。それはまあ、「見に来たかったら、東京に来んしゃい」 そういうパターンですが」 
 「休みの日にやって~」と声がとぶ。 
 「君の休みが日曜だったらね」の返事。 
 「何かこう、たかまってたかまって行くっていうホールツアーもいいんですけど、 実はこういうふうに大人で、たかまって行くんだよ、というのが、すごく大事なことで」

 「破れたハートを売り物に」を大合唱。 
 「いやいや、よろしい。みんなバッチリ。すばらしい。京都は昔から、キレたら客が 何するかわからないって感じで。いいなあ。 
 京都と、明日神戸と、やるわけですね。すごくとにかく、この辺は来たかったんで」

 「バラードを、やりましょう。もう1回ジョージを」 
 客が拍手をするが、 
 「拍手に心がない」 
 大きな拍手と「フーッ」という声があがる。僕も「ジョージイーッ!」と叫んだ。 
 「愛が重たいよりはいいけどね。愛が重たいヤツが多いからなあ、近頃。いちいち 死ぬからなあ。なんで死んでんだろう。・・・・・・OK・・・「死ぬよりはいい」という歌を。そんな ことないか。いやあ、だって「死に至る前の病」というのがあって。それは、次の成長とか 再生のためには、すごい良いわけですから。そういう病はどしどし・・・バラードをやりましょう」

 「橋の明かり」 
 声の響き方も、かすれ具合も最高。 
 松山の1回目よりもこの曲がひとつ増えていた。

 「バナナホールで2時間20分」という話を、客たちがうらやましがる。 
 「じゃあ、何?今夜のステージに文句がある?こんなにいいことやってんのに」 
 みんなをなだめるように、GUY BANDのことを、「別に新しい試みをやってるとか そういうことじゃなくてですね。ほんとに遊んでるわけですから。ただ、真剣に遊ばないと 楽しくないんで。遊ぶときもね。ひと晩だけでしたけど、真剣にやったよ、お前!」

 四国も盛りあがったけど、やっぱり関西の観客は、うるさい。好きやなあ。 
 僕は京都で甲斐を見るのは、ストレートライフ ツアー以来。9年ぶりか。静かな アレンジの「ラヴ マイナス ゼロ」が思い出される。 
 これからも京都でやってほしいよなあ。

 

1996年3月22日 京都ミューズホール

 

らせん階段 
テレフォン ノイローゼ 
ブラッディ マリー 
やせた女のブルース 
地下室のメロディー 
破れたハートを売り物に 
橋の明かり 
安奈 
スマイル 
レディ イヴ 
風吹く街角 
風の中の火のように 
ポップコーンをほおばって 
漂泊者(アウトロー) 
HERO

 

ダイナマイトが150屯 
きんぽうげ

 

GUTS