CRY

Twitterには長いやつ

甲斐よしひろ Welcome to the ”GUTS FOR LOVE” Tour

1996年2月15日(木) フェスティバルホール

 電車に乗ってから、忘れ物に気がついた。ツアータオルや。ちゃんと静岡で買うたのに。 あれがないと、ハンカチ出して汗拭いてる間に甲斐の動きを見逃すことにもなりかねない。 
 ということで、フェスに着くとすぐに2本目のタオルを購入した。 
 座席は、真ん中からやや後ろのボックス席である。僕はなぜかこの席によくあたる。 出入り口の上に作られているので、前の手すりを越えると、下の床まで何もない。視界が 開けてて、見やすそうや。

 「ダイナマイトが150屯」が始まると、一斉に大手拍子。スケールを感じる。今日が、この ツアーで最大の会場や。当然、客の数も多い。手拍子の音が響いている。ばっちりタイミング も合ってて、一体感に心を揺さぶられる。

 「「時の人」、いっしょにやるよ!」の声に、すぐに大きな手拍子が始まる。が、速すぎて 静かなイントロに合わない。一旦やんでから、速くなった曲調に合わせて手拍子が復活。 
 「桜井」とか「イチロー」と言ったように聞こえたのは、気のせいか。

 拍手が大きかったから、「安奈」2番前の間奏を甲斐は延ばした。拍手がおさまるのを 待って、うたい出す。 
 「クリスマスツリーに」の辺りからはギターをあまり鳴らさない。甲斐の声がホールに 響く。 
 「安奈、お前にあいたい」から全部客にうたわせる。 
 最後のサビに入る前に「サンキュー」とささやいた。 
 きっと、甲斐は観客といっしょにうたいたくて、2日目からこのアレンジに変えたんや ろう。そうやとしたら、今夜はとくに大成功や。客もめっちゃよろこんでたし、甲斐も満足そう やった。

 「浜ちゃん遊ぼ」の話にひき続き、「大阪の音楽番組出た。日曜の朝。すごかったあ」 
 「日曜はピアノ気分」のことや。確かに、あれはすごかった。あの「レディ イヴ」の バックバンド。誰やねん! 
 「もう1回あるのかな、TV。「MUSIC FAIR」か何か」 
 発表を聞いて、みんな大拍手。 
 「フルオーケストラといっしょにやれるという魅力で、ついつい「ウン」と言ってしまった 私です」

 「大阪はついついしゃべりすぎる」と言いつつ、話は続く。 
 「何か今日これやりたい、とか言ってメニュー決まってないやつをやることに・・・」 
 新潟で「バス通り」やったと言うと、拍手がわき起こる。 
 「もうやんないよ。あれは1年に1回しかやらないって決まってんだから」 
 「アップル パイ!」の声が飛ぶのも大阪らしい。

 害バンドの話題。「松藤」の名にまたもや、大歓声と拍手。 
 「3人でひっそり。大阪だったら、鶴橋かなんかで?わかんないけど」 
 「鶴橋」の地名にウケてしまった。焼き肉の町で害バンドのライヴ?いいなあ。 
 「そいで、そういう感じで明日やろうかな・・・」 
 拍手がパラパラ。あまりにも突然やった。「え~っ?」という声があがる。 
 「何か、バナナ・・・」 
 思わずみんな拍手。でも、まだ何のことかよくわからない。まさかのことに、「ひえーっ!」 「え~っ!」とすごい反応。 
 今夜、大きな発表があるとBEAT VISIONには書いてあったけど。ほんまに明日? 
 「信用してない」甲斐がジョージに向かって。 
 「まあ、3人でバナナホールでやろうと」 
 また拍手しながら、みんな「えーっ!」と叫んでいる。 
 僕の心の中では、明日の心配が始まっていた。明日どうしよう?!どうしようって、 行くに決まってんねんけど。大丈夫かなあ。3日連続休みになる。広島の日、急に休み 取ったしなあ。いきなり明日休むって言うて、通るかなあ。あまりにも突然や。明日て! でも、絶対行ったんねん。 
 「終わってロビーに出ると、イベンターがチラシ撒いてますから」 
 甲斐が「一応、言ったからね」と言って、ようやく少し落ち着いた、まとまった拍手。 
 「9時あたり」ということだ。 
 「さあ、何やろうかな」 
 甲斐が切り換えを図るが、まだまだ場内は異様な雰囲気。みんな明日の心配で 頭がいっぱいなのだ。 
 間をとってから、甲斐が河野選手を呼び込む。これでようやく場が沈静化。 
 「「GUTS」というアルバムの中からの曲を。これはやりたいなあ、とは思ってたんです が。実は、3月からアンプラグドっぽいコンサートをやる。それで、そんときやろうと思ってた んだけど、いきなり急に、やりたいなあと・・・」

 譜面台が出てる。ほんまに今日になってから決めた感じ。 
 ジョージと河野選手のギター。 
 「メタモルフォーゼ」 
 みんな静かに聴き入っている。ギターの音と甲斐の歌しか聞こえない。CDよりよかった、 という感想が多かった。

 後半は大騒ぎ。ステージが広いから、甲斐たちの乗っている舞台はステージの床より 一段高くなっていて、最前列までの距離も結構あるねんけど、甲斐は前まで出て来まくり。 1列目のすぐ前を通りながら歌ったり。前の方がうらやましいぞ。

 「今夜は、ほんとにたくさん、みんな来てくれて感謝してます。ほんとにありがとう」 
 「らせん階段」の最初、2音弾いただけで、すぐギターがダメになった。 
 別のギターと取り換える。みんな、じっと静かに待っている。 
 「この沈黙がタマラン・・・」と、ひと言。 
 新しいギターをかけ、向き直り、マイクスタンドの前に立つ。しぜんと拍手の波が 起こる。 
 「今月2回目。ギターつぶしたの」

 「もう1回、メンバーを呼び寄せよう!」と言うと、ソデの方を向いて両手をあおって 「来い、来いよ!」のポーズ。今日が1番、アクションがでかい。 
 そして、「港からやって来た女」もすごかった。大暴れ。 
 間奏、今夜は「COME ON、メッケン」 
 3番は「みーつーめ」とシンプルに歌う。 
 後奏が長い!メンバーもノッている。かなり演奏してから「バイン!バイン!バイン!」 の叫び。「フーッ!」って言って跳びあがったはずみで、手すりから落ちそうになってるファン もいる。 
 掛け声の後も長かった。うれしいなあ。

ロビーに出て、チラシをもらう。えっ?!11時から電話予約開始?!! 
 いつも大阪のライヴが終わった後は、大人数で飲み屋に行くのだが、今夜は予約の ためにどんどん帰っていく。残ったのは数人だけやった。 
 居酒屋に着いても、忙しい。 
 明日、夕方だけは出るから、夜は休ませてくれと電話でたのむ。 
 11時ジャストから店の電話でかけまくる。25分ほどで、やっとつながった。予約番号 は意外に早かった。かかった順番とは関係ないということだ。

 ほんまに松藤来んのかなあ。アコースティックか?一光たちは帰ってしまうのか? 
 心は明日の晩に飛んでいる。きっとスペシャルな内容になることだろう。

 

1996年2月15日(木) フェスティバルホール

 

ダイナマイトが150屯 
絶対・愛 
きんぽうげ 
時の人 
風吹く街角 
スマイル 
ポップコーンをほおばって 
観覧車82 
安奈 
メタモルフォーゼ 
破れたハートを売り物に 
マイ マイ マイ 
レディ イヴ 
嵐の季節 
風の中の火のように 
翼あるもの 
漂泊者(アウトロー) 
HERO

 

GUTS

 

らせん階段 
港からやって来た女