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Twitterには長いやつ

甲斐よしひろ Welcome to the ”GUTS FOR LOVE” Tour

1996年2月14日(水) 広島南区民文化センター

 朝から鈍行を乗り継いで、広島へ。血まみれのRED SUDDEN-DEATH TOUR以来 である。あのときは、新しいスニーカーが小さすぎて、ものすごい靴擦れのまま広島、福岡と ツアーをまわったんやった。 
 「会場へは地下鉄で行ける」という情報を聞いていたが、僕は広島には野球観戦などで 何回か来たことがあったため、「広島には地下鉄なんぞない」と知っていた。初めて来たときは 「広島電鉄」というのを探して、歩きまわったもんや。まさか駅前の路面電車やとは。 
 ということで、路面電車で行くと、あっけなく早い時間に着いてしまった。

 会場1番乗りである。考えてみれば、バレンタインデーに1人で1番乗りしてるのって、 かなりさみしいかもしれない。 
 当日券発売までずいぶん待った。窓口のお姉さんが座席表を見せて、好きな席を 選ばせてくれた。早く来た甲斐があったぞ。端の方なら、そんなに遠くない席もある。よろこんで できるだけ前を選ぼうとしたら、「こことこことこことここは予約が入ってます。あと、ここと こことこのへんも」 
 そんなん先言えや!期待させといて。結局、後ろから3列目の、できるだけ真ん中 近くを手に入れた。はじめっから来るつもりで先行予約しとったらなあ。でも、来られただけ でも幸せとしよう。

 初体験。中に入ってみると、僕の席はミキサーのすぐ後ろやった。 
 ヒゲのおじさんが仕事している。僕の列とおじさんの立ってる列の間は、1列空いて いる。なるほど、立って作業するから後ろの人が見にくいだろうと、空席にしてあるのだ。 と思っていたら、開演近くなると、その列も全て埋まってしまった。ヤツはよく動くので、僕の 前の列の人は、すごい見にくそう。

 いつもなら、BGMが1曲終わる度に、「次かな、次かな」とどきどきするが、今日は ミキサーが音楽止めてオープニングの曲に切り換えるのも、みんな見えてしまった。こういう のも1回ぐらいは珍しくていいかもしれないが。 
 スタッフがステージの真ん中に立ち、甲斐の姿を隠している。このツアーでは初めて 気付いた。

 「きんぽうげ」では、「いつでーも別れてあげるうう」とHISTORY LIVEヴァージョンの 歌い方が見られた。 
 「風吹く街角」は、またライティングが変わっている。色の変化が速いのは名古屋と いっしょやけど、今日は左右両側から青と赤が入れ換わって行く。

 「新しい曲というのは、みんなと会って、生きたリアクションを受けて、初めて着地する」 
 このMCは、「スマイル」の前。

 「観覧車」は、名古屋で感動した星たちに期待。ところが、星が出た瞬間、ステージが 青に染め抜かれるはずが、メンバーに当たるスポットが5つとも残っていて、白いライトが かぶさってしまっている。しばらくして青一色になったし、広島のファンは気づかなかったよう だが、残念ながら星空のイルミネーション唯一の失敗やった。

 「最初の静岡は穏便に行ったんだけど、2日目から毎日変わるコーナーになって。 名古屋は「橋の明かり」をやって・・・」と言うと、早くも客席からたくさん声がとぶ。 
 「「オクトーバー ムーン」やって!」「メモリー グラス!」 
 「リクエスト コーナーじゃないんだから」 
 「バス通り!」の声が出ると、「ああ、惜しい。「バス通り」やったんだ」 
 何と新潟で「バス通り」を歌ったらしい。やっぱり行ってたらよかったかなあ。悔しい。 
 まだみんなが他に要求したり、「バス通り」聴けないのを残念がったりしてるうちに、 甲斐が言った。 
 「今日は、明るめがいいだろう」 
 そして、「テレフォン ノイローゼ」がはじまった。

 「破れたハートが売り物に」は出だしが合わず、やり直し。 
 「完全に俺が悪い」 
 カウント数えるの1小節か2小節かわかんなくなった、とのこと。

 「マイ マイ マイ」のコーラスが、だんだんよくなってる。 
 ドラムが途中から「スココン スココン」と激しくなるところが好き。甲斐の声の張り上げ 方と連動していて、気持ちがいい。この曲にかぎらず、一光のプレイは音が立ってる感じが する。かなり、いいよなあ。 
 甲斐は叫ぶタイミングをCDとは変えている。 
 最後のサビ前、「ギュウーーン」というジョージの音が完璧やった。サビに勢いがつく。 この曲では、ZOさんとかいうおもちゃみたいにかわいらしいエレキを使っている。かつての 「ラヴ ジャック」のデジホ同様、甲斐の持ち物なのでは?と勘繰ってしまう。

 「レディ イヴ」 
 サビ前になると演奏が走る気がする。甲斐も客たちもそれに乗ってガンガン歌い まくる。サビが多いので工夫しているのだろうか。

 「風の中の火のように」ラストの繰り返し。3回目の「風の中の火のように」で、「火の ように」を遅らせて歌ったため、1番最後の「火のーっ」という叫びが、演奏の次の部分に はみ出した。荒々しくて印象的やった。

 僕と隣の女性とは、ちょっと間隔ができていた。ライヴに熱中しているうちに、両方とも 自然に動いていたのだろう。ところが、「翼あるもの」が始まった瞬間、2人の間に突然、 もう1人別の女性が立ち上がった。びっくりしたなあ。急に人間が生えて来たような感じ やったもん。 
 実は、彼女が本当の、僕の右隣だったのだ。そんなところに人がいるとは思って なかった。かなり狭かったんちゃうかなあ。今まで見えていたのだろうか。 
 この人は「翼あるもの」から、それまですわっていたとは思えないような暴れっぷりを 見せた。僕が「甲斐ーっ!」と叫ぶと、必ずその後に「甲斐さあん!」と言うようになったし。 
 彼女にかぎらず、「翼あるもの」では会場じゅうすごい騒ぎ。 
 甲斐はマイクスタンドを脇に抱え込んで、片腕だけで縦に振りまわした。初めて見た 動きや。これが格好良かったんで、一層盛りあがる。 
 「オーレのーうーみいに」からは、マイクを手に動きまくり。 
 極めつけは、歌い終わってからのいつものアクション。甲斐が両手を拡げる。その 時間が普段よりずっと長い。その間ドラムが細かく叩き続けている。十二分に引きつけて おいてから音が湧きあがり、甲斐が両手を掲げる。ドラムの大きなビートが響いて、もう 1度全ての楽器がハーモニーを奏でる。甲斐は身体を前に屈めている。これが「翼あるもの」 だ。

 すごい勢いで「漂泊者(アウトロー)」へ。甲斐はシャツを脱いで、タンクトップになって いる。 
 「長く暑い夜の海を」からはコーラスが打ち込んであった。これは今日が最初やと 思う。 
 続く「HERO」が、「翼あるもの」にも負けないノリ。すごい。甲斐もうれしそうや!

 「GUTS」の叫び。2番の後では声を張りあげ、最後は低めやった。 
 「はなすんじゃないぜ」のとこで甲斐にピンライトが当てられていることに、今日はじめて 気付く。ここはいっつも夢中で歌ってるからなあ。

 「港からやって来た女」の間奏で、甲斐がキーボードの台の上にあがった。続いて ドラムスの台。すると一光が張り切って、甲斐の顔を見ながら大叩き。 
 ベースのソロに入るところで、甲斐が「メッケン~」と叫んだ。「電話をみみみみつうめ ー」という歌い方をする。 
 後奏で甲斐とジョージが舞台右端に行き、ずっと1点を見てる。知り合いでも来てる のか?と思ったが、後から聞いた話によると、父親に抱えられた子どもがいたらしい。 
 ジョージはそこに残るが、甲斐は中央に出て行って「バイン!バイン!バイン!」

 とにかく今日は、「翼あるもの」と「HERO」に止めを刺す。

 

1996年2月14日(水) 広島南区民文化センター

 

ダイナマイトが150屯 
絶対・愛 
きんぽうげ 
時の人 
風吹く街角 
スマイル 
ポップコーンをほおばって 
観覧車82 
安奈 
テレフォン ノイローゼ 
破れたハートを売り物に 
マイ マイ マイ 
レディ イヴ 
嵐の季節 
風の中の火のように 
翼あるもの 
漂泊者(アウトロー) 
HERO

 

GUTS

 

らせん階段 
港からやって来た女