CRY

Twitterには長いやつ

甲斐よしひろ 21st anniversary special event Singer

大阪厚生年金会館 1995年1月5日(木)

 今日はHISTORY LIVEのTシャツを着てきた。やっと買えたこのツアーの帽子も かぶって、臨戦態勢。

 いつもメンバーが登場する前から騒ぎだす大阪の客にしては珍しく、オープニングで 前の方が立つのが遅かった。甲斐の姿をスタッフがかくしていたので、既に出て来ている ことに気がつけへんかったみたいや。歌い出すと、すごい驚きの声。 
 「今 銃撃の街のな~か」と歌うと、そこでやっと「ブライトン ロック」だとわかった 人たちもいたのだろう、また大きな歓声。悲鳴。

 「氷のくちびる」でも、「か~なーしーき 恋のー」と聴いて、「キャーッ」とたくさんの悲鳴。 大阪では「氷のくちびる」が見られない時期が長かったので、いつも反応が強烈。曲の前半 に昔の手拍子をする音も聞こえたが、すぐに消えた。

 「ダニーボーイに耳をふさいで」のイントロを聴いて、「すごい」と言ってる声がした。 後半の静かな部分に客がじっと聴き入り、より情感が伝わってくる。

 「嵐の明日」でトラブル。 
 甲斐がうたいはじめたのは、「気がする~」あたりから。怒っているのが表情から わかる。マイクスタンドを廻すこともしなかった。詳しい事情はわからんけど、曲が終わると 甲斐は舞台右ソデまで歩いて行って、スタッフに向かって何やら大声で言った。 
 甲斐の機嫌が悪くなった。「甲斐ーっ!」という声援が多くなる。みんな心配している のだ。

 しかし、次に照明がついて、ジョージと2人で姿を現したときの甲斐は、もうふつうに 戻っていた。 
 今日のステージはちょっとかわった感じで、甲斐たちよりも自分たちの方が高い ところにいる。甲斐を見おろす形になるわけだ。厚年でこんな前の席になるのは初めてや から、いつもそうかどうかはわかれへんけど。そして、1列目とステージの間にわりと距離が ある。 
 この「テレフォン ノイローゼ」のときには、その1列目のすぐ前まで甲斐とジョージが 出て来た。それで、客のコーラスで甲斐が歌うのだから、盛りあがらないはずがない。 すごい一体感で、甲斐たちが客席の中に入って歌っているような感覚やった。

 「安奈」の前には、年末のTV番組出演依頼の話。羽賀研二梅宮アンナの前で 「安奈」をうたってくれないかというものだったという。笑えた。そんなもん断って当然や。 
 「安奈」の後のリクエストの話題では、「バス通り」の名前が出ても反応がなかった。 三郷、名古屋とえらい違い。大阪のファンはそれほど「バス通り」にこだわっていないようだ。

 「メモリー グラス」「THANK YOU」「ノーヴェンバー レイン」のメドレーが、もう めちゃめちゃよかった! 
 僕の席はM列やけど、マイクスタンドの真っ正面。まっすぐ甲斐を見おろす位置。 表情もよく見えるし、しぜんと向かい合うことになるわけで、甲斐が自分のためにうたって くれているような気にさえなる。じっと甲斐を見て、静かな曲を味わう。ドラムも真正面でよく 見える。甲斐を見ると視界に入ってくるのだ。

 一転して激しい曲になる。「港からやって来た女」ではついに、「バイン!バイン! バイン!」を4回やってくれた。やったあ! 
 ドラムとパーカッションから、ギターが「きんぽうげ」のイントロを弾く。そこでものすごい 歓声。 
 「ブライトン ロック」や「氷のくちびる」のときにも思ったけど、今日の観客はどの曲な のか気付くのが遅い。そのかわり、わかったらすごい声をあげる。 
 「きんぽうげ」はもう狂乱の大騒ぎ。大阪のファンは特に「きんぽうげ」が好きなんや。 思い知った。

 キーボードが次第に「LADY」らしいメロディーを奏ではじめると、「まさか、えーっ!」と いう驚きの声もあがった。さっきまでとはうってかわって、みんな静まりかえり、息をのむように して聴いた。 
 「LADY」完璧。泣きそうになる。

 「嵐の季節」の合唱。前の方はあまり拳があがっていなかったが、間近であの「LADY」 を見た感激をまだ引きずっていたのではないだろうか。 
 2番の終わりに甲斐が「今は嵐のきせーつ」と締めくくるのを忘れたため、客の合唱 が延々続いたりした。

 ここから最後まで一気に突っ走った。「翼あるもの」の前のコメントもなかった。すごい 燃えあがり方。僕らもしきりに「甲斐ーっ!」と叫ぶ。会場のほぼど真ん中の席だからか、 音が渦巻いている感じではなく、激しく高まりながらも演奏が聴きやすかった。

 アンコール。まとまって甲斐コールをするのではなく、1人1人好き勝手にバラバラな ことを叫んでいる。これも大阪らしいところなのかもしれない。

 新曲たち。やはりみんな手拍子もできずに見とれている。そして1曲終わるごとに、 感激の拍手。ここでの拍手は、大阪が1番大きく、しかもあたたかかった気がする。

 このツアーを代表するニューヴァージョンの歌詞は、新曲で登場した。 
 「GET!」。「夜には消えな でも夜にはまた会えるかい?」 
 「橋の明かり」でも、「真夜中におちていく 橋の明かりのように」とうたった。

 「愛と呼ばれるもの」の最後のライトを正面から見られたのも、よかった!終わった 瞬間、ものすごい拍手の嵐。

 2回目のアンコール。 
 「こうなったら1階の前も3階の後ろもないもんね」 
 3階が激しく沸く。そのとき初めて3階を振り返ると、客がぎっしり。今日は当日券も 全くなかった。 
 客の騒ぎぶりに、「「LADY」が束の間のひとときだった」 
 「この勢いで、終結へ」 
 そして、「破れたハートを売り物に」の大合唱。すごかった。 
 メンバーたちが前にならぶ。今日はみんな大暴れやったなあ。甲斐をはじめとして、 低いステージと1列目の間のスペースに出て来まくり。あのメッケンでさえ、だんだん前に 出るようになってきた。 
 両手をつないでかかげるポーズはなし。みんなで礼をする。甲斐とジョージはいつもの ように肩を組んで去る。

 今日は特に、静かな曲がよかったなあ。感動や。余韻に浸りきりました。

 

1995年1月5日(木) 大阪厚生年金会館

 

ブライトン ロック 
氷のくちびる 
風の中の火のように 
ダニーボーイに耳をふさいで 
絶対・愛 
裏切りの街角 
嵐の明日 
テレフォン ノイローゼ 
安奈 
モリー グラス 
THANK YOU 
ノーヴェンバー レイン 
港からやって来た女 
きんぽうげ 
LADY 
嵐の季節 
冷血(コールド ブラッド) 
漂泊者(アウトロー) 
翼あるもの

 

GET! 
渇いた街 
橋の明かり 
光あるうちに行け 
愛と呼ばれるもの

 

破れたハートを売り物に