CRY

Twitterには長いやつ

KAI FIVE RED SUDDEN-DEATH TOUR

1994年7月6日(水) メルパルクホール広島

 新快速と鈍行を乗り継いで、新大阪から広島まで約6時間の旅。 大阪でMCを聞いて読みたくなったロバート・B・パーカーの「儀式」を読みながら。 
 メルパルクホールというのは、広島市民球場横のメルパルクホテルといっしょになって るもんやと思っていたのだが(実際、大阪はそうだ)、実は全く別のところにあった。 念のため大阪メルパルクでパンフレットをもらっていてよかった。前もって調べてなかったら うろたえていただろう。 
 会場前には机が置いてあって、チケットの裏に住所・氏名を書き入れられるように なっている。開場時に、なぜか「チケット裏に記入されてない方は、入れませーん」と言われ、 なんでやねんと思いつつ机へ向かった。

 開演前の客席は静か。広島の客は情熱的だろうと想像しててんけどなあ。 
 BGMが例の曲になった。大阪では気づかなかったが、ロミオとジュリエットがどう した、とか歌っている。「Fever」という言葉も歌詞に入っているようだ。1曲目への伏線 だったのか。 
 まだ雰囲気は盛りあがらない。こうなったら大阪代表として俺ががんばったる。 意識してかなり早めに立ち上がった。1番早かったかもしれない。

 心配は無用だった。甲斐が姿を現した瞬間、客席が熱気に包まれた。甲斐も 目一杯の動きで興奮を高める。

 最初のMC。「今夜もKAI FIVEの・・・」と言うところを、「今夜も、甲斐バ・・・」と 言ってしまい、あわてて訂正していた。

 「絶対・愛」の出だしでは、今夜もマイクスタンドを廻した。前までは蹴り上げていたが、 このツアーはこれで行くようだ。

 ワールドカップのMC。「知り合いの明石家という男は、ついにアメリカまで行った そうです。ようやるよ」と行った後、「この業界で、無駄なことしてるなあ、よくやるよ、アホな ことするなあ、と言うのは全てほめ言葉だからね」 
 甲斐がソロ時代の後半、「無駄なことをするやつが少なくなった」と言いつながら AGライヴをやっていたのを思い出す。 
 いろいろしゃべってから、「・・・と言いつつ、「ラヴ ジャック」に行こうかな」と言って、 演奏が始まった。 
 ここは「影」のはずではなかったのか?曲順が変わったのだろうか。しかし、結局 この日「影」は歌われなかった。

 さて、僕の右隣りは、かなり恰幅のいいおばさんやった。このおばさんが、「嵐の季節」 あたりで、席をはなれて前へ行ってしまった。すると、だんだんみんなが前へ寄って行き はじめ、僕もできるかぎり前まで進んだ。本来の席は5列目の左の方やったけど、2列目の 真ん中近くにある通路のとこまで行った。近かった。警備員も人数が少なくて手が出せない みたいだ。通路は押し寄せた人たちでいっぱい。すごい熱気や。「氷のくちびる」「翼あるもの」 「風の中の火のように」と、めっちゃ興奮した中で嵐のように過ぎて行った。 
 「嵐の明日」の前の言葉。今日は、「KAI FIVEが表現する「絆」という部分を見て もらった」という言い方をした。それで、「TWO」がラインナップに入っているのか、と納得。

 アンコールになると、さすがに警備員たちが「お席にお戻り下さーい」と言ってきた。 みんな席に帰ったが、隣のおばさんだけは別やった。警備員2人の前に立ちはだかり、そこ を動かない。何を言われても首を振るだけ。顔は、じっとステージを見上げたまま。一心に 手拍子をしている。 
 やがて、メンバーが戻って来る。僕は横が空いているので、またすぐに前へ行った。 他のみんなもやって来る。大勢が前へ押し寄せた状況でのR&Rメドレーは、すごかった。 
 「漂泊者(アウトロー)」で甲斐が目の前まで来たとき、僕は思いっ切りジャンプした。 一瞬、自分が甲斐より高く跳んだように感じた。 
 その「漂泊者(アウトロー)」の1番では、甲斐が途中、2番の歌詞を歌ってしまったり した。歌い始める前に、舞台のソデの方をにらんで何か言ってたので、その影響だったの かもしれない。近いところから見た感じでは、マイクの準備がちゃんとしてなかったようだ。

 またまた2列目まで行って、「破れたハートを売り物に」。 
 いい雰囲気。熱狂できたし。開演前とは逆に、広島のファンを見直した。

 ライヴの余韻をゆっくりと楽しみたい気分だ。僕はバスもタクシーもパスして、歩いて ホテルまで戻った。

 

1994年7月6日(水) メルパルクホール広島

 

Fever 
幻惑されて 
激愛(パッション) 
絶対・愛 
TWO 
涙のアドレス 
君のいないこの街はまるで名も知らぬ街を歩くようだ 
ラヴ ジャック 
観覧車82 
青二才(ナイーヴ) 
月に泣く 
嵐の季節 
氷のくちびる 
翼あるもの 
風の中の火のように 
嵐の明日

 

どっちみち俺のもの 
~夜にもつれて 
~ランデヴー 
~報酬 
漂泊者(アウトロー

 

破れたハートを売り物に