1曲目としてなじみのあるイントロが流れてきた。カナさんが頭上高くで手を打ちながら登場。左手でピースを掲げながら右手で今日最初のフレーズを弾く。
たじさんも弾むように手拍子しての登場だ。
「もっとオールドファッションド」
カナさんはベージュっぽい布製の幅の広いカチューシャ?で髪を飾っている。上は肘を覆うぐらいまでの半袖、白地にグレーや黒や黄色がかった茶色の柄がいろいろ入っている。白のロングスカート。
たじさんは上が白で、スカートが白地にカナさんと同様の柄。つまり、上下逆のおそろいだ。上はカナさんと同じぐらいの袖。長めの半袖というか短めの七分袖というか、六分袖っていうのかな。その袖は二人ともふわっと広めになっている。両肩から内側の下へ金色の円が並んでいるから、以前の土曜パームトーン劇場で見た覚えがある。薄茶色に細かくゴールドをあしらったようなコルセットベルトは、カナさんの髪飾りと対応するアクセントなのか。サンダルのストラップは銀に輝いている。その流れでカナさんの靴を見たら、グレー基調のスニーカーだった。これはかなりめずらしい。
今回はセットリストもおもしろいと聴いたので、「ガーディアン・エンジェル」が終盤に戻るとふんでいる。「人生はミラーボール」で始めるのかなと予想したが、カナさんが先に出るよさは捨てがたい。そうなると、「もっとオールドファッションド」の出番だ。MUSE以来の1曲目復帰。
間奏でたじさんの見事なスキャット。カナさんが両手で細かく鍵盤を連打。たじさんが声を小さくするが、澄んで伸びていてしっかり届いてくる。カナさんが右の指の間隔を広げ、ずらしたタイミングで連打していくのがすごく印象的。
二人とも落ち着いた、いつもよりクールなオープニングだと感じた。
拍手が鳴っているうちにもう「それはウソじゃない!?」
アルバム「ラ・ブラバ/LA BRAVA」で発表された曲だが、もうほぼライブのどこでも任せられるようになっている。
たじさんが前奏で体の向きを変えながら、銀のサンダルのかかとを高めに上げてトンとステップを踏むの、いいな。カナさんも向きをシンクロさせている。これが定着したらうれしい。たじさんは曲中もときどきトンと銀の足踏み。
二人のスカートが緑に照らされるのが目を引く。こんな照明あったっけ? 白い衣装だからより鮮やかに見えるのか、いつもは近くで見てるから視界に入っていないのか。
サビの繰り返し。たじさんが高く歌う部分が素敵。カナさんが最後に高音を続けるのも。
「アタシはバリア」
こんなに早く歌われるのは初めて。3月の新曲だが、3月4月は後半に披露されたから、前半で歌われるのも初めてだ。
前奏で脇を締めるように両肘を動かす仕草はなし。円形にバリアを張る動きもない。サビで前に手を出すところ、2度目に後ろから持ってくるときは、親指と人差し指だけを立てる形に変わってる。すぐ後に腕を斜めに振るから、先にそのときの指にしている格好だ。振り付けが変貌し始めているのか。ともかく楽しい。カナさんもサビでニコニコだ。
2番からはバリアを張るのも復活。僕はもう、バリアの鍵を神様に預けるのが由来の、腕を天に上げるタイミングもばっちりだ。かわいくてキャッチーで笑えてしまうほどわくわくして、新曲たちの中でも特に大好き。
この後MCに入ったから、初めて「恋してオムレツ」から独立したのだな。2曲続けて、かわいい歌ゾーンをつくるもよし。単独で盛りあげるもよし。いずれにせよ、今後ライブでますます存在感を強めていくはずだ。
感謝の言葉。
前回のワンマンライブからひと月以上たって、木屋町は桜吹雪から新緑へ。
長靴をおろした。
母の日の母。
「感謝の曲を」と、「ダメなところも」
カナさんのピアノだけでうたうバラードで、繊細な心情を告白する曲だけど、今日は声を大きく出している印象だ。このうたい方もいいな。
カナさんのピアノも高まっていく。
もう全部ひっくるめて、たじさんが大切な人に向けて、感謝の気持ちと受け入れてほしいという想いを純粋にぶつけているのを見ている感覚。
「透明な水」
コロナの影響が深刻化しつつあった先月はバラードを減らしたそうだけど、2か月ぶりに聴ける。
ここでもたじさんは強めにうたう。が、ところどころ声は大きめのまま弱めてうたう。この抑揚はたまらない。揺さぶられる。
水の中と水面を射る光を表す、青とひらめくように揺れる白のライト。カナさんのピアノの音色も水を思わせる。そこにたじさんの声。予兆なく急に泣けてきた。
「苦い林檎酒」
間奏のたじさんのスキャットは強く。カナさんが描く音の色が夢のようにのぼっていく。高音からひとしきりおりてくると、跳ねるようなリズムへ変化。今月はまた今月だけのソロを聴かせてくれている。BBガールズのライブは、どの曲のどの部分も、すみからすみまで楽しめるようになっている。
二人を染める照明は赤と青。薄い紫も。
そして後奏。たじさんのスキャットのきれいなこと。しっとりとしていて、情感も伝わってくる。最後は高くなる。ここが澄んで澄んで澄み切っていた。絶佳。
イントロに驚く。ここで来るとは。そんなファンの気持ちを見透かしたように、たじさんが笑みを浮かべる。
「ガーディアン・エンジェル」
しかし、たじさんもカナさんも動かない。こんな静かな「ガーディアン・エンジェル」がかつてあっただろうか。1曲目か終盤が定位置のところを前半7曲目にやることと並んで、異例である。
カナさんのグリッサンドからキーボードが入ると、たじさんも体を動かし始める。
カナさんのソロがまたかっこいい。音の入るタイミングや間隔、鍵盤を往復する高さ。ことごとくオシャレ。たじさんも拍手を贈る。
最後の音でたじさんが顔を上げる。終わり方まで例外的な「ガーディアン・エンジェル」だった。
カナさんのピアノだけの前奏。これも意外。アンコールでやるかと思ってた。
「天界の雫」
ライブで発表されたのは1月だが、配信されたのはほんの10日前の新曲だ。音源のリリースは、去年2月のアルバム「ラ・ブラバ/LA BRAVA」以来となる。
まだ全体の歌詞が発表されていないから、配信された音源から歌詞を書き起こして頭に叩き込んできた。よりしっかりとたじさんの歌が、カナさんのコーラスが、聴けている気がする。
スリリングに高まり続け、再び静かになって消える。
先月は本編最後に歌われたのだ。前半のラストに激しい曲を2曲配して、盛りあげて終わる。これはなかった形のはず。セットリストもおもしろいという冴沢プロデューサーの予告は、これを指していたのだろう。こういうことができるのも、BBガールズのオリジナル曲が増えてきたから。毎月新曲ができていくのだから、これからもきっとサプライズがいっぱいだな。めっちゃうれしい。
二人は深くお辞儀をしてから、ステージを後にする。
静かで抒情的な「明日に向って撃て!」の音楽。先月はなかったから2か月ぶりだ。
代わって、先月に流れたジャズっぽい曲。こういうふうに2曲続くのは記憶にない。静かでしみじみした雰囲気に、元気が芽生えていく。
明るいビートが鳴る。
赤いワンピースに着換えたカナさんが現れるが、キーボードの前には行かず、中央に立つ。たじさんもすぐに続き、赤のワンピースでカナさんの左に並ぶ。なんでカナさんは演奏しないの? 音楽じゃないことが始まったらどうしよう。一瞬そうよぎった。
二人そろって曲に合わせて、平泳ぎのように腕をかいて後ろに進む振り付けを披露。カナさんが立っているのはこのダンスのためだった。左に右に移動してから、カナさんはキーボードへ。たじさんは右手を上げて左足で跳びながら一周回る。客席を指差すたじさん。カナさんは「フーッ」と手を上げる。たじさんは左端のマイクスタンドからマイクを外しながらも客席を指差す。なんだこの展開は。今月5月の新曲、めちゃめちゃ楽しいぞ。
歌い出してからも、たじさんは手を上げて跳び上がる。カナさんも「フーッ」を繰り出す。歌詞にBBガールズが出てきたぞ。「人生はミラーボール」第2弾という感じなのだろうか。作詞はたじさん、作曲はカナさんだと事前に告知されている。たじさんがその場で走る動作。宙を殴る。跳ねる。曲調は、僕には60~70年代のロックみたいなイメージだ。
間奏でたじさんが再度右手を上げて左足で跳ねながらぐるっと回転する。カナさんは「フーッ」。たじさんがまた回る。足元に絡まるコードをさばいて2番へ。
たじさんが左手と右足を上げて弓なりになる。ずっと跳んでる。跳ねている。
次の間奏。動きを止めた二人が首を左に向ける。右に向ける。また同じ方向を向くと思いきや、二人が顔を合わせてしまい、カナさんが驚きとまどう表情。本当のアクシデントかと最初思った。こんなオチまで用意してあるとは。昨夜ラジオで、たかしさんにも振り付けがあると言ってたのは、たぶんここじゃないか。ギターを持ちながら首の向きを合わせそう。
間奏の後半はカナさんがコーラスする中、さらにたじさんが動き続ける。
サビを経てのフィナーレは、たじさんの駆け足が3連続。そして、二人で縦に示した拳をガシィィィンと揺らす。
BBガールズがずっとハジケてはしゃいでる。どこまでも派手な新曲。ライブで毎回盛りあがること間違いなし。新たな畳み掛け曲の誕生。早くみんなで踊りたい!
新曲の決めポーズのまま次のイントロ。このリズムが、たじさんの腕の上下運動とシンクロしている。おおっ! と思うが、あるいはたじさんが意識して、新曲の終わりからこの速度に合わせていたのか。
「ひらいたトランプ」
ライトに染まる世界。赤の衣装が実にいい。去年10月の土曜パームトーン劇場も二人とも赤で、僕にとってベスト衣装候補になるほど好きだった。
カナさんのワンピースは首元がギザギザに見える。前に少しスリットが入っている。ベルトは変わっているが、朱色っぽい発色と襟の形からして10月と同じものか。カチューシャをとった髪は右肩から下ろしている。足元はストラップのある黒のヒールに。
たじさんの襟は両肩にうねりがあり、前は真っすぐ水平。コルセットベルトの真ん中には金の飾り。
つまり、二人は11月発売予定のアルバムのジャケット、及び、12月26日(土)京都ミューズホールライブのポスターに使われる写真の衣装を身につけている。
1番の後のたじさんのスキャットがいつもと違う。そのしめくくりからの流れで、2番は息を多く含ませるような歌い方で立ちあがる。
カナさんのソロがまたもや全編オシャレだ。極め付けは、定番の連打から高音への移動。「ひらいたトランプ」を代表するあの三連打を高音で弾く。これには感嘆してしまう。いつもの三連打から何オクターブか上ということなのだろうか。インパクトがあり、心地よくもある。これは今日の名場面のひとつとして残るな。
「恋してオムレツ」
たじさんが腰に手を当てて振り向く動きを、ビシッと決めている。これはきっと新曲のダンスの影響だろう。かわいい曲の「恋してオムレツ」でさえこう変わるのだな。かと思うと、たまにやわらかくふわりと振り向くこともある。
「元気! こういうときこそ元気いっぱいにお届けしていきたいなと思います。みなさん盛りあがっていきましょうーぅ」
カナさんの最大限に高いダブルピース。たじさんはカナさん側の手でピース、足も上げる。
最後のポーズで、たじさんは何か口ずさんでいた。
ひとつの動き方の変化で、これほど印象が違ってくるのだな。今までにない「恋してオムレツ」だった。
新曲「情熱のベル」について、何度もいっぱい話してくれる。二人もお気に入りで、練習のときから楽しんでいたそう。こういうMCでもラジオでも、BBガールズが自分たちの曲について話すのを聴くのがとても好きだ。
もともとは5月2日に予定されていたこのライブが、延期にはなったが無事に開催できてうれしいと話す。
まだ配信の形ではあるが、今月も土曜パームトーン劇場が開かれたのは、もちろんファンとしてもものすごくうれしい。
状況を改善させるための自粛というのが前提で。それに加えて、私的なモチベーションとして、このライブが行われなくなったら切実に嫌だから、ひたすら家にこもっていた。緊急事態宣言が延びないように。楽しみにつながる目標があったのは大きい。
セットリストについて。
1回解体して、「これはおとなしめの曲、これは激しい曲」と分類して、まとめてもっかいドンって出した。
BBガールズの曲はバリエーションが豊富だと、あらためて感じたそうだ。そうそう、そこが大きな魅力のひとつ。
生配信をチェックして、コメントも拾った。
「泡のないグラス」
MUSE以来だ。
たじさんはマイクスタンドを使う。
歌入りから様子が違う。新たに高くアレンジしたのかと思える。それぐらいたじさんの歌がいつもより高い。実際に高くうたっているのか。あるいは、うたい方を変えていて、そう感じるのか。たしかに、情感を抑え気味でうたっているようだ。BBガールズで最も重みのあるバラード「泡のないグラス」が、これまでほどは悲痛ではない。 直接的ではなく、静かに想いをくみ取らせる感じ。新しい局面に入った「泡のないグラス」。これからどう進んでいくのか注目だ。
マイクスタンドが使われているなら、次はこの曲。
「落穴と振子」
たじさんの手の動きは先月と少し違う感じ。手袋なしバージョンというより、きちきちには決めずにしぜんに動いているふうで、よい。
先月は黒の衣装だったが、今月は赤。照明も赤。このために「苦い林檎酒」を赤一色に染めなかったのかもしれない。
今日までの間に、歌詞のモチーフにもなったというエドガー・アラン・ポオの「落穴と振子」を読んだ。「恐怖の振り子」という邦題で訳されていたのを中学の頃に読んで以来だったから、ラスト以外はだいぶ忘れていた。読み返したおかげで、司祭、十字、英雄、死神、深遠、堕ちて、揺れて、孤独、敬虔さ、心はもはや震えもしないといった詞で小説のイメージも浮かんでくる。知らなかったジャコバンとジロンドという言葉も調べた結果、背景がわかったし、変わる時代という詞も絡めてあるのかなと推測される。まあ、そんなことを知らなくても、たじさんの歌とカナさんの演奏のかっこよさは圧倒的だ。
「NaNaNaNaNaNaNaNaNaNa」を短く切る。間奏の入りでたじさんが首を鋭く振る。Twitterに上げられた先月の動画でも印象的だったシーンだ。曲の炎が燃え上がるとともに、カナさんが劇的な連打。「NaNaNaNaNaNaNaNaNaNa」の響きだけが、カナさんのピアノが消えた宙を今度は伸びていく。
先月の初披露がかなりの名演で強烈に記憶に残っているから、意外な感覚だが、ライブで「落穴と振子」が歌われるのはまだ2回目なのだな。BBガールズのライブ自体が先月の土曜パームトーン劇場以来だから。あの後行われるはずだったわくわくシティーパークも、高瀬川寄席も、カオスな占い祭りも、全て中止や延期になった。にも関わらず、ライブが久しぶりという実感は薄い。BBガールズの曲は毎日聴いているし、ライブ動画のアーカイブも見るし、ラジオを聴いてメッセージも送っている。ブログもいくつか続けて書いた。ファン側は一方通行とはいえBBガールズのコンテンツに触れている(ありがたいことにラジオを通じて反応もある)。それに、ライブが開かれてそれを見ることができるよろこびが、見れなかったつらさを超えている。
今日の「落穴と振子」も素晴らしかった。「泡のないグラス」の後になめらかにつながった見事さを取っても、BBガールズにとって貴重なナンバーだと思う。
「離れてもそばにいて」
あまくうたっていくたじさん。
赤いスカートを両手で持つポーズ。これはめずらしい。そうか、マイクスタンドでうたっているからできるんだ。スタンドの真ん中あたりを両手で持ったりも。しあわせな曲でたじさんがマイクスタンドを使うのはあまり記憶にない。
カナさんのピアノが、高音から下りてくるフレーズを2回繰り返す。
最後は声を張って、語尾を響かせずに伸ばす。それから、両手でスカートを持って広げるようにしておじぎ。
先月なかった後半2回目のMCが今日はある。
「すごいなあと思って。曲の振れ幅が」
今日の後半だと、「情熱のベル」「ひらいたトランプ」「恋してオムレツ」と、「泡のないグラス」「落穴と振子」「離れてもそばにいて」
同じバラードというくくりでも曲によって主人公が違うから、声が変わる。そう言うたじさん。「いろんな曲歌えるのが楽しい」
たじさんが早起きするようになって、「今日だから、めちゃくちゃ元気」
あきっすんのあきさんは優しい。今日のPAはあきっすんのまっすんさん。バーカウンターには曽我未知子さんもいるし、冴沢͡鐘己プロデューサーも見守ってくれる。
ちょっとずつ、こうやってみんなと会えるようになってきた。
手を上げながら片足で跳ぶ振り付けがある「情熱のベル」、明日もやりたい。
明日は「わくわくパームトーンサンデー」というイベントがある。パフェみたいな名前だ。曽我さんに明日作ってほしい。
求められなくなったら終わり。「人に必要とされなくなったら、消えちゃうよ」という名言を漫画で読んだことがある。
応援してくれる人、見てくれる人がいるのは、すごく幸せだ。
「陽だまりの鳥」
やさしい声でうたうたじさん。悲しみもさびしさも伝わってくる。カナさんのコーラスからも。たじさんの語尾でも。
最後は一段高くなったハミングを長く伸ばす。胸に沁みる声だった。
「風のファンタジスタ」
冒頭のサビを終えて下ろされたたじさんの左手が、スカートをつかむ。ビートに合わせて後ろに前に振っていく。
2番の後の「光るよ」を上げるフェイク。久々だ。
楽しそうなカナさん。どんどん笑顔が増していき、ついに両手を上げる。これは初めて。新たに定着させるのだろうか。「君の」で客席を指差すのも両手で、真ん中から外側へ。
豊かに強い声を解放するたじさん。カナさんがピアノの歩みを緩める。左足を前に半身になったたじさんが、勝利の拳を掲げる。
「人生はミラーボール」
久々に終盤で聴けた。MUSEの前、というか、去年の12月にアンコールで歌われて以来だから、後の方で歌われるのは何と今年初めてだ。
たじさんのステップが大きい。
1番の「Are you lady?」は、客席に向けた指を二人そろって左から右へ。
2番はカナさんが両手の「Are you lady?」、今日は指を上下させていく。
たじさんは「好きなもの なんもかも 詰め込んで」と、体を左右にひねりながら歌っていく。
「楽しむが勝ちね 人生はミラーボール あなた次第」という一番好きな詞が心に響く。指差すポーズも。伸ばして絶妙に色を変える語尾も。
「こんなもんじゃないでしょ」とすねたポーズのたじさん。「行くぞーっ!」の叫びに応えないわけないだろ。「BBガールズ!!」
たじさん、左手の動きも強くて大きくて。
力強いスキャットに、指はぐるんぐるんくるくる回った。
「まだまだGIRLでいいかしら」
たじさんがとび跳ねる。いつも跳ねるがそれ以上だ。跳ねながら手も上げていく。「情熱のベル」を思わせる動き。もう今日は、「情熱のベル」以降、バラード以外全部動きが大きく派手になっている。いいぞ、楽しい。カナさんの笑顔もはじける。
サビの「Love me,love me」でも跳ねる。間奏はずっと跳ねている。
2番の「小刻みにふるえ」では、左手を上下させるだけでなく、右足を左足を上げていく。
次の長い間奏でも、本当にずっと跳ねている。カナさんのソロが高まると、「フーッ!」「イェー、オン・キーボード、カナーっ!」
三度情熱のサビを経て、後奏では湧き上がる声を聴かせることに集中する。
すごいすごい。全編熱く燃え続ける「まだまだGIRLでいいかしら」だった。
「ありがとう!」と言って二人が左ソデへ向かおうとする間にも、アンコールを求める手拍子が起こっている。
カナさんが、たじさんが、帰ってきた。
ひと言も発しないうちにギターが鳴り始める。先月に続いて、あおりなし。たじさんが客席を指差す。カナさんが右手を体の後ろまで大きく反り返らせて、鍵盤に振り下ろしてのグリッサンド。たっぷりと間を取ってから、高音を奏でる。
「平成ガール」
たじさんが本編終盤の楽しい感じから一転、凛々しく決めている。カナさんの短いフレーズもかっこいい。今日はいつもより大きく、ずっとギターが聴こえている。
さらに一転。間奏に入るや、たじさんがあの「情熱のベル」の片足ジャンプ。右へ左へ右へと回転していく。
次の間奏では、広げたスカートをギターに見立ててマイクで弾いていくアクション。
それがビタッと止まると光も同時に弱まる。「Love Love Love Machine」に乗り込んでいく。カナさんが選ぶ最も低い音が妖しく奥まで入ってくる。
高まってのサビ。たじさんは足を投げ出すようなステップ。カナさんのきれいで派手なメロディも彩る。
たじさんが右手を掲げる後奏。カナさんが左右の指で細かく連打。さらに速くなる。高くなる。グリッサンドで下りる、おおまた上る。たじさんはスカートなしのギターポーズでフィニッシュ。髪を振って横を向き、顔は隠れている。端麗。
MCなしで「境界線はいらない」
「もう、この楽しいが伝わってるといいな」
「ネットを通じて、どこへでも飛んでいける。そんな時代にぴったりな、私たちの大好きな曲でお別れしたいなと思います」
体ごと手を振るたじさん。多めのラララから、Cメロは特別バージョン。
直後に「誰が勝手に決めたーああ~」とフェイクを聴かせてくれる。
後奏のスキャットも、いつものメロディを別の文字で歌う感じ。これもいい。
たじさんと立ち上がったカナさんが、肘から立てた腕をガシィィィンと上下させる。「情熱のベル」のしめくくりポーズで今日のライブに幕を下ろした。とにかく今日は新曲「情熱のベル」の存在感が大きい。
カメラの前に並んで、配信を見ている者へのメッセージ。
「いちばん今日体力があった」と、たじさんは筋トレの効果を実感。「もうワンステージ行けるよ、これ」
「こんなときなので、本当に元気が一番なので。伝わったらいいなあと思って。画面越しってさ、すごい遠いやん。だから、いつも以上に『伝われーっ』みたいな感じのステージでした」
今日はまず、新曲の「情熱のベル」がすごかった。ライブで絶対に盛りあがる曲だ。
「情熱のベル」が代表するように、BBガールズがひときわハジケていて、見てる方もひたすら楽しく熱狂できた。「情熱のベル」が引っ張ったみたいに、後半ずっとたじさんのアクションが大きかったもんね。
ライブの構成から、BBガールズの曲を甲斐バンドの曲になぞらえるということを、僕は勝手にやっている。
「人生はミラーボール」は、長く1曲目を務めた人気曲だし、客席にマイクを向けるから、「きんぽうげ」
「風のファンタジスタ」は、バラードから終盤怒濤の盛りあがりにつなぐ「氷のくちびる」
「ガーディアン・エンジェル」は、原点とも言えるがデビュー曲ではなく、イントロを長くもできるから、「ポップコーンをほおばって」
「平成ガール」は、熱狂するロック「翼あるもの」
「まだまだGIRLでいいかしら」は、前奏で一気に沸き、本編最後に歌われる「漂泊者(アウトロー)」
「陽だまりの鳥」は、アンコールや本編最後にうたわれるバラード「LADY」
「境界線はいらない」は、アンコールの最後が多い「破れたハートを売り物に」
あとは新たに1曲目を任せられる「ブライトン・ロック」や、とにかく大騒ぎの「ダイナマイトが150屯」に当たる曲も加わればさらにいいなと思っていた。
「ダイナマイトが150屯」ができた。「情熱のベル」だ。曲調やアクション自体は違うけれど、ボーカルが動きまくって煽り、ファンが熱狂するのは同じ。
これは大きい。「情熱のベル」はライブに欠かせない曲になるだろう。BBガールズに強烈な武器が増えた。
一方で、「夜明けの月に」と「クランベリージャム」が歌われないとは意外だった。こういう日が来るとは。それも毎月新曲が増えているからこそ。うれしい悲鳴というやつだ。そんな中で、今日は過去最多の20曲をやってくれた。とてもありがたい。
来月は一体どの曲が、どんな順序で歌われるのだろうか。
今月も素晴らしいライブだった。
何より、BBガールズの土曜パームトーン劇場が開催されて本当によかった。まだ本来の形ではないとはいえ。心から感謝しているし、めちゃめちゃめちゃめちゃうれしい。ありがとうございます!!
来月は普通に参加できますように。早く叫びたい。たじーっ!カナーっ!
ライブのアーカイブ映像はこちらです。
(会員登録が必要です。生中継はどなたでもご覧になれます)
freshlive.tv
5月16日 event space PALMTONE
もっとオールドファッションド
それはウソじゃない!?
アタシはバリア
ダメなところも
透明な水
苦い林檎酒
ガーディアン・エンジェル
天界の雫
情熱のベル
ひらいたトランプ
恋してオムレツ
泡のないグラス
落穴と振子
離れてもそばにいて
陽だまりの鳥
風のファンタジスタ
人生はミラーボール
まだまだGIRLでいいかしら
平成ガール
境界線はいらない
今回からライブ中継と同じFRESH LIVE! で、おまけ放送と題した配信が始まった。
ライブ直後の感触、新曲について、裏話、次のライブへの予告など、うれしい内容だった。